介護は子育てとは異なり、いつまで続くか予測が立ちにくいものです。団塊の世代が75歳を迎える2025年まであとわずか。高齢化が進むいま、改めて「介護にかかるお金」についてみていきます。
介護に何らかの不安を感じる人は約8割
公益財団法人生命保険文化センターのー「生活保障に関する調査 令和元年(2019)年度」によると、親などに介護が必要となった場合、約80%の人が「何らかの不安を感じる」と答えています。また、その不安の具体的な内容として、「自分の経済的負担…52.4%」「介護サービスの費用が分からない(50.2%)」、「公的介護保険だけでは不十分(49.0%)」といった回答が挙がっています。
では、実際のところ、介護にはどのくらいお金がかかるものなのでしょうか。
介護にかかるお金って、どれくらい?
介護サービスを受けることを検討したとき、まず頭に浮かぶのが「介護保険の活用」でしょう。
介護保険サービスの利用限度額
「要介護度状態区分」は7段階に分かれており、段階ごとに1カ月あたりの利用限度額が決まっています。
「その限度額の範囲内」であれば、1割負担(65歳以上で所得が一定額以上の場合は2割もしくは3割)で訪問介護、看護や訪問入浴などの介護サービスを受けることがでます。限度額を超えた部分は「自己負担」になります。
介護保険サービスを使う場合
《居宅サービスの1カ月あたりの利用限度額》(2019年10月~)
- 要支援1・・・5万320円
- 要支援2・・・10万5,310円
- 要介護1・・・16万7,650円
- 要介護2・・・19万7,050円
- 要介護3・・・27万480円
- 要介護4・・・30万9,380円
- 要介護5・・・36万2,170円
【参考】
「2019年度介護報酬改定について」厚生労働省
介護費用の平均額
さきほどの生命保険文化センターの調査では、介護に要した費用(公的介護保険サービスの自己負担費用を含む)は、住宅改造や介護用ベッド購入などの一時費用の合計が平均69万円、月々の費用が平均7万8,000円と算出されています。
ここで注意しておきたいのは、介護保険を利用しても、1割(65歳以上で所得が一定額以上の場合は2割もしくは3割)は自己負担となる点、介護保険サービスに含まれないものについても、全額自己負担となる点には注意しておきましょう。
【参考】「介護にはどれくらいの年数・費用がかかる?」公益財団法人生命保険文化センター