学校や仕事に行きながら、病気や障害のある親・祖父母・きょうだいなどの介護や世話をしている人たちを「ヤングケアラー」と呼びます。

筆者は30歳過ぎから6年間、認知症の祖母の「シングル(一人で)在宅介護」を行っていました。祖母は現在、精神科病院に入院中。急病時などの緊急対応を、引き続き筆者が担当しています。

最近、「ヤングケアラー」という言葉が、メディアで注目されるようになり、当事者として非常に嬉しく思っています。

ですが、厚生労働省の定義による対象年齢には誤解があるように思うのです。同省の調査対象を、中学・高校生に限定せず、10代~30代に広げるべきではないかと疑問を感じる部分があります。

そこで、厚生労働省の内尾さんに「ヤングケアラー」の定義や、対象となる年齢がなぜ誤解されているか、そして、支援のあり方などを聞きました。

なぜ「18歳未満に限定」と誤解が広がっているのか。

「ヤングケアラー」の対象年齢を、「18歳未満の子供」と限定した報道が増えています。しかし、政府がはっきりとした定義を決めているわけではありません。

よって、18歳未満と同じく19歳以上30代くらいまでを現状「ヤングケアラー」の仲間と呼んでも間違いではありません。

それでは、なぜヤングケアラーの対象が「18歳以下限定」という誤解が広がっているのでしょうか。

「アメリカのNPO団体がヤングケアラーの年齢を18歳以下と定めていて、それが日本でもなんとなく浸透したのではないでしょうか」(内尾さん)。

おそらく、日本のメディア関係者や識者の中にも、誤解をしている人がいるかもしれません。