株主重視のROE経営は危険で迷惑。コロナ不況でわかった日本型安全経営の価値

ちなみに、本来であれば労働者も、B社よりA社に入社すべきですし、納入業社もB社にはA社より高い値段で売るべきなのですが、こちらもなかなか理屈どおりには行かないようです。

新型コロナで怖さを認識したはず

幸い、日本企業は「内部留保をため込んでいる」「現預金を積み上げている」という批判を受けるほど安全重視の経営をしているところが多いようです。終身雇用制で従業員の雇用を守ることを重視する日本企業は、倒産への警戒感が強い、という要因もあるのでしょうね。

それに対して批判をしている人々は、新型コロナで売上高が急減して倒産が激増しかねない現状を、どう考えているのでしょうか。

批判者はともかくとして、企業経営者の多くが新型コロナ不況を経験して、安全経営の重要さを再認識し、過度にROEを重視しない経営方針を再確認していると期待しましょう。

それから、銀行が自己資本比率の低い借り手に対する貸出の怖さを再認識し、今後は高い金利を要求することを決意した、と期待しましょう。

本稿は、以上です。なお、本稿は筆者の個人的な見解であり、筆者の属する組織その他の見解ではありません。また、厳密さより理解の容易さを優先しているため、細部が事実と異なる場合があります。ご了承ください。

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塚崎 公義

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執筆者
塚崎 公義

1981年 東京大学法学部卒業、日本興業銀行(現みずほ銀行)入行。おもに経済調査関連業務に従事した後、2005年に退職し、久留米大学へ。現在は久留米大学商学部教授であるが、当サイトへの寄稿は勤務先と関係なく個人として行なっているため、現職は経済評論家と表記したものである。【近著】なんだ、そうなのか! 経済入門』『老後破産しないためのお金の教科書』『経済暴論: 誰も言わなかった「社会とマネー」の奇怪な正体』『一番わかりやすい日本経済入門』『日本経済が黄金期に入ったこれだけの理由【雑誌寄稿等】Facebook、NewsPicks、アメブロ等にて適宜ご紹介