株主重視のROE経営は危険で迷惑。コロナ不況でわかった日本型安全経営の価値

ROE重視経営は倒産を増加させ、企業にとって危険であると共に、銀行や取引先や日本経済等に多大なリスクを押し付ける、と筆者(塚崎公義)は考えています。

ROAを重視すべき

企業の経営を評価する指標としてROAとROEが有名です。ROAというのはReturn on Assetsの略で、ROEというのはReturn on Equityの略です。

ROAは、利益を資産額(バランスシートの左側)で割った値です。資産を利益に効率的に結びつけているか、ということですね。同時に、バランスシートの右と左は等しいので、ROAは利益を「純資産(自己資本とも呼ぶ)と銀行借入の合計」で割ったものでもあります。つまり、「株主と銀行から調達した資金を用いて効率的に稼いでいるか」ということでもあるわけです。

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これは重要なことで、会社の経営者が全力で取り組むべき課題だと言えるでしょう。株式会社は利益を稼ぐことが最大の使命なのですから。

一方で、ROEというのは利益を純資産(バランスシートの右下)で割った値のことです。株主から調達した資金を効率的に利益につなげているか、ということですね。株主にとっては、これが最も重要ですから、「株主重視経営」というのはROEを高めることだ、と言えるでしょう。

しかし、これはそれほど難しいことではありません。財務部長が銀行から借金をして自社株買いをすれば良いからです。

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執筆者
塚崎 公義

1981年 東京大学法学部卒業、日本興業銀行(現みずほ銀行)入行
おもに経済調査関連業務に従事した後、2005年に退職し、久留米大学へ。
現在は久留米大学商学部教授であるが、当サイトへの寄稿は勤務先と関係なく個人として行なっているため、現職は経済評論家と表記したものである。
(近著)
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(雑誌寄稿等)
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