レオパレスの主要事業と近年の業績

レオパレスが展開する事業は、アパートの転貸を中心とする「賃貸事業」、賃貸アパートの建設を請け負う「開発事業」、介護施設を運営する「シルバー事業」そして「リゾート事業」です。

施工不良問題が起きる以前は、賃貸が売上高シェア8割、開発が1.5割ほどでしたが、現在、開発事業では新規受注を停止しており、89.6%(2020年3月期)を占める賃貸事業が唯一の柱という状態です。

次に、業績の推移を確認していきましょう。

2018年3月期から2020年3月期まで3カ年の推移は、売上高が5308億円⇒5052億円⇒4336億円、営業利益が229億円⇒74億円⇒▲365億円と、ともに下り坂。当期純利益は148億円⇒▲687億円⇒▲802億円と著しい減収減益が続いています。

施工不良問題が発覚して以降、売上高を減少させている大きな要因は入居率の低下です。問題発覚直前の18年4月時点で全管理戸数における入居率は92.8%だったのですが、19年12月には78.9%にまで低下しました。

レオパレスの賃貸ビジネスは、アパートのオーナーから一括借上げをして賃貸の仲介・管理から収益を得る構造なので、入居率が下がってもオーナーへ支払う保証家賃分は変わらず、入居率の低下は売上高のみならず利益の減少にも直結します。

結果、2019年3月期の営業利益は67.8%の大幅減。さらに当期純利益はマイナス圏に突入しました。補修工事関連損失引当金548億円や空室損失引当金97億円の繰り入れなど、施工不良への対処に伴う特別損失を計上したことで▲687億円になっています。