今回のコロナ渦の影響は日本各地に出ており、民間企業の業績も悪化しています。
かつて賑わいを見せていたオフィス街や歓楽街などはまだまだ通常に戻るには時間がかかりそうです。
一方でこういった景気の波に左右されにくいと言われるのが公務員です。
今回は国家公務員と地方公務員の退職金について確認し、受給額はどのような差があるのか確認してみましょう。
公務員の数は日本の就業者数の何%か
まず公務員は日本の就業者数の何%くらいにあたるのでしょうか。
日本全体の就業者数は総務省統計局「労働力調査(基本集計)2020年(令和2年)9月分結果」によると、6689万人となっています。
これに対して公務員の数は国家公務員が58.6万人、地方公務員が274.4万人となっていますので、日本の全就業者数の5%が公務員ということになります。
全就業者のうちの5%である公務員の退職金はいくらなのでしょうか。そして国家公務員と地方公務員の違いはあるのでしょうか。
国家公務員の退職金はいくら?
まずは国家公務員の退職金から確認してみましょう。
国家公務員にも様々な職種があり、58.6万人のうち、給与法の適用を受けるのは一般職の国家公務員約27.8万人となります。
内閣官房によると、「平成30年退職理由別退職手当受給者数及び退職手当平均支給額」は下記の通りとなっています。
尚、常勤職員とはフルタイムで勤務する職員を指し、そのうちの行政職俸給表(一)適用者
とは一般行政事務を行っている職員を指します。
常勤職員
- 受給者数:33,794人
- 平均支給額:10,549,000円
- うち行政職俸給表(一)適用者
- 受給者数:6,374人
- 平均支給額:15,204,000円
それでは退職理由別になるとどのように変わるのか確認してみましょう。
常勤職員
定年
- 受給者数:13,101 人
- 平均支給額:20,680 ,000円
応募認定(※早期退職募集制度に基づく退職のこと)
- 受給者数:1,508 人
- 平均支給額:26,496,000円
自己都合
- 受給者数:6,846 人
- 平均支給額:3,355,000円
その他
- 受給者数:12,339 人
- 平均支給額:1,834,000円
うち行政職俸給表(一)適用者
定年
- 受給者数:3,254 人
- 平均支給額:21,523,000円
応募認定(※早期退職募集制度に基づく退職のこと)
- 受給者数:826 人
- 平均支給額:22,883,000円
自己都合
- 受給者数:1,199 人
- 平均支給額:4,189,000円
その他
- 受給者数:1,095 人
- 平均支給額:2,699,000円
全体的に見ると、定年退職者が一番多くなっており、定年退職で約2000万円の退職金が支給されていることが分かります。
尚、応募認定の金額が多くなっている理由は、職員の年齢別構成の適正化を通じた組織活力の維持等を目的として、45歳以上(定年が60歳の場合)の職員を対象に、透明性の確保された早期退職募集制度が創設され、各大臣が募集対象者全員に募集実施要項等を周知して募集を開始し、認定されれば退職金が割増で支給されるためです。
地方公務員の退職金はいくら?
地方公務員の数は約274万人ですが、職種は様々で下記のように分かれています。
- 一般行政(福祉関係を除く)・・・55万4101人
- 一般行政(福祉関係)・・・36万8660人
- 教育部門・・・101万4962人
- 警察部門・・・28万9849人
- 消防部門・・・16万2076人
- 公営企業等家計部門・・・35万1002人
※福祉関係を除く一般行政とは、議会、総務・企画、税務、労働、農林水産、商工、土木を担当。
福祉関係は、民生、衛生を担当。
公営企業等会計部門とは、病院、水道、交通、下水道などを担当している。
では地方公務員の退職金はいくらなのか、総務省の「平成31年地方公務員給与実態調査」を参考に確認してみましょう。
平成30年度中に退職手当を支給された全職種の1人当たりの平均支給額は、全地方公共団体平均で1,027万円となっています。
この中で一般職の勤続25年以上の定年または応募認定退職者の1人あたりの平均退職手当額は下記のようになっています。
- 全地方公共団体
- 56歳応募認定退職者・・・2,1251000円
- 58歳応募認定退職者・・・2,1416000円
- 60歳定年等退職者・・・2,1230000円
60歳定年で退職した場合は2000万円を超えています。
地方公務員の一般職の退職金は国家公務員の一般行政事務職とほとんど変わらないことも分かります。
公務員の退職金はどうやって決まるのか
実は公務員の退職金は国家公務員の退職手当の支給水準について、退職給付(退職手当及び年金払い退職給付(使用者拠出分))の官民均衡を図るため、おおむね5年ごとに行う民間企業の企業年金及び退職金の実態調査を踏まえて見直しが実施されており、地方公務員の退職金もこれに準ずることになっているのです。
民間企業と乖離しないようになっているとはいえ、今回のコロナ渦では給与減額や賞与カット、退職金減額などを行った民間企業もあり、それと比べてしまうと公務員は安定しているといえます。
まとめにかえて
少子高齢化で人生100年時代と言われる今は老後の備えをどのように増やすかは誰にも共通していることではないでしょうか。
このまま民間企業の退職金も下がれば、公務員にも影響が出てくるでしょう。
今後はますます現役で働ける間に、資産運用や貯蓄など工夫してお金を増やしていくことが求められそうです。
