資金が出回らないことを知っていたが株を買った

筆者は、元銀行員ですから、ゼロ金利下で金融を緩和しても資金が世の中に出回らないことを知っていました。銀行が国債を持っているのは貸出先が乏しいからですので、国債を日銀に売っても貸出が増えるわけではなく、売却代金が日銀への預金になるだけなのです。

しかし筆者は株を買いました。Cの親友がCに投票したのと同じ理屈です。「自分は黒田総裁が間違えていることを知っているから株は買わない」などと自己満足しているようでは儲けることはできないのです。

おかげで、何回も飲みに行くことができました。そのたびに「黒田総裁ありがとう」と言ってから乾杯しました(笑)。

最後に余談です。黒田総裁が本当に上げたかったのは株価よりも野菜のカブの値段だと思いますが、こちらは上がりませんでした。一つには、野菜には美人投票が通用しないからですが、もう一つ、カブは株と異なり保管コストがかかるので、来年食べる予定のカブを今のうちに買っておこうと考える消費者はいないからですね。

本稿は、以上です。なお、本稿は筆者の個人的な見解であり、筆者の属する組織その他の見解ではありません。また、厳密さより理解の容易さを優先しているため、細部が事実と異なる場合があります。ご了承ください。

<<筆者のこれまでの記事はこちらから>>

塚崎 公義