「黒田緩和」で株価が上がった不思議〜投資家は何を信じたのか?

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株価は美人投票なので偽薬効果を生みかねない、と筆者(塚崎公義)は考えています。

株価は美人投票と言ったのはケインズ

株価は美人投票だと言ったのはケインズです。その意味を理解するためには、当時の美人投票の仕組みを知っておく必要があります。当時は今と異なり、優勝した候補者に投票した審査員も「審美眼がある」という賞品がもらえたのです。

そうなると、審査員は自分が美人だと思う候補ではなく、優勝しそうな候補、すなわち他の審査員が投票しそうな候補に投票するようになります。

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自分はAが美人だと思っても、Bが登場した時に周囲の審査員が拍手をしたとすれば、Bに投票した方が賞品にありつける可能性が高いからです。

審査員としては、壇上の候補者を観察するよりも、審査員席に流れている噂を探る方が得策です。そんな時に「Cが審査員に賄賂を配っているからCが勝つだろう」という噂を耳にしたら、Cに投票すべきですね。自分も賄賂が欲しかった、と思うか否かは別問題として(笑)。

株式市場も同様だ、とケインズは言います。他の投資家が買いそうな銘柄を買えば良いので、そのためには財務諸表等を分析するよりも他の投資家たちの噂話に耳を傾けるべきだ、というわけです。

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塚崎 公義

1981年 東京大学法学部卒業、日本興業銀行(現みずほ銀行)入行
おもに経済調査関連業務に従事した後、2005年に退職し、久留米大学へ。
現在は久留米大学商学部教授であるが、当サイトへの寄稿は勤務先と関係なく個人として行なっているため、現職は経済評論家と表記したものである。
(近著)
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(雑誌寄稿等)
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