対等の収入を得るために失った時間
また、夫と同じだけ稼いでいるというRさんは「この収入と引き換えに、失ってきたものがあると感じる」といいます。
「正社員で働いていており、産休・育休を経たあとは通常勤務をしています。私の職場には派遣社員の方やパートの方などもいるため、そういった方の不測の事態には自分が対応しなければなりません。これら責任のある立場と両立しながらの子育ては精神的にも肉体的にもかなりハードなものです。急に欠員がでたときなどは家族に負担をかけながら出勤することもあるし、子供が寝た後に家で作業をすることもあります。結果、一番あおりを受けているのは子供だと思うんです。
先日、学校でママ友に会ったとき私の知らない学校での娘の様子を耳にしました。先生からも『もう少しご家庭でお話を聞いてあげてくださいね』なんていわれて…。自分が専業主婦だったら『おかえり』といってあげることもできるし、しっかりと学校の宿題を見てあげたり話を聞いてあげることもできる。今の私は家にいてもどこかで会社のことが頭の片隅にある状態です。そんな気持ちで接しているのが娘にも申し訳なくて」
正社員としての責任と母親としての責任。どちらもRさんにとって大事なことはかわりません。そのため「不器用な自分が両立するのは無理だったのではないか」と常に考えてしまうそうです。