「長生きをしている間にインフレが来て、老後の蓄えが尽きてしまう」というのが老後資金を考える際の最悪シナリオです。少しでもそうしたリスクに備えるためには、「元気な間は働いて収入を得ること」「公的年金を大切にすること」「老後は借家ではなく持ち家に住むこと」が重要だと筆者は考えています。

「波平基準」で元気なうちは働こう

サザエさんの登場人物である波平氏は、54歳です。当時の定年が55歳であったのは「高齢者にはお引取りいただく」という趣旨だったことが察せられますね。

最近では波平氏より元気な高齢者も多いので、そういう人は年齢に関係なく働きましょう。新型コロナ不況が収束すれば、高齢者でも仕事を探せば見つかるはずです。

高度成長期には、15歳から55歳まで40年間働き、70歳代で他界するのが普通でしたから、人生の半分以上は働いていたわけです。そうであれば、人生100年時代を迎えようとする今、20歳から70歳まで働くのは当然だと考えましょう。

老後の生活資金が心配だというのであれば、長く働いて老後を短くすることが最大の老後資金対策なのですから。

公的年金を大事にしよう

老後資金の最大のリスクが長生きとインフレであり、公的年金が長生きとインフレに対する最も心強い味方であるということは、公的年金を大事にするべきだ、ということになります。公的年金は、長生きに強いのみならず、インフレにも強いのです。

「ねんきん定期便」で自分が保険料をしっかり支払っているか否か、確かめましょう。サラリーマンは給料から厚生年金保険料を天引きされていますから、未納期間はないか少ないはずですが、自営業者等は要注意です。