「お葬式のお金」で困惑したこと、不愉快だったこと

ここで、家族を見送った経験がある人たちの「お葬式のお金」にまつわるエピソードをいくつかご紹介していきましょう。

A美さん「互助会に入っていたのに…」

「両親は元気なうちから互助会に葬祭費用の積み立てをしていました。『お葬式の費用はこれですべてまかなえる』と聞いていたので、私たち子どもは安心しきっていたのですが…。

いざ父が亡くなり、葬儀の準備段階で分かったのは、積み立てたお金の範囲では『基本プラン』いわゆる最小限の内容しか賄えない、ということ。父が現役のまま亡くなったことや、親族が多いことなどを考えると、お花・参列者への食事など多くのオプションが必要となりました。そのため、最終的な支払金額は積み立てていた金額の倍以上になってしまいました」

互助会などの加入内容については、事前に家族と共有しおくとよいですね。

B子さん「舅にイヤミを言われた!」

「私の実家のルーツは、全国的にみてお葬式にお金をかける地域だったようです。そのせいなのか実母が亡くなった際も、祖父母や実父のときと同様の感覚でお葬式をしました。

夫の両親も参列してくれたのですが、帰り際、義父に『贅沢すぎる。葬式にあんな金を使うなんて、完全にお寺や葬儀屋に踊らされてるよ』とイヤミを言われました。ものすごく腹が立ちましたが、言い返す気力も残っていませんでした。

シンプルなお葬式、お金をかけるお葬式、それぞれの家庭のポリシーがあってのことです。すごく不愉快でした。お義父さん、あの言葉一生忘れませんからね!」

外野の無責任な口出しは慎しむべきですね。

C男さん「お正月に急逝」

「祖父が亡くなったのは1月3日。年末年始休業中のため、自宅付近の葬祭場はどこも10日ほど先まで予約が取れない状態でした。「お葬式まで、葬儀会社の冷凍保管室に祖父を安置し続けなければならないかも…」という事態に家族は困惑しました。

すると、2時間ほどかかる隣市の斎場で「一番高価な火葬炉」であれば、3日後に空きがあることのこと。急遽そちらで執り行うことになり、移動時間・体力・お金ともに、家族にとっては大きな負担となりました」

これは不可抗力ともいえる状況ですね…。