「誹謗中傷は犯罪だ」という意識が希薄
誹謗中傷は言う側は心を痛めることはありませんが、言われる側はたまったものではありません。
筆者はジャーナリストとして、ビジネス雑誌や、ネットメディアでニュース記事を書いています。内容によっては読者から感想を受け取ることがあるのです。「為になりました」とポジティブな感想を受け取ることがある一方、いわれのない中傷を受けることもゼロではありません。
「顔がムカつく」
「こいつは実は韓国人で反日家だ」
「頭おかしい」
一通り思いつく限りの悪口は言われてきましたが、コメントの内容を見てみると記事の内容を曲解して理解していたり、ひどい時には内容を読まずに記事のタイトルだけで判断していると思しきものもあります。また、ユニークな経験としては、とあるビジネス雑誌で書いたコラムを読んで怒った女子大生から呪いの手紙が送られてきたこともあります。
誹謗中傷を受ける側は単に心を痛める、という被害に留まりません。筆者の知人のブロガーは「中傷が辛いから」ということを理由にブログを閉鎖してしまいました。そのブログでは、多くのファンが彼を応援していましたが、極一部の粘着性の高い中傷に耐えきれなかったのです。ブログの閉鎖により、彼はブログから得ていたビジネスメリットを失うことになってしまいました。こうなるとビジネスの営業妨害であり、経済的損失を被る紛れもない犯罪行為です。
「この人がムカつく」
という極めて個人的な感情だけで、その人を追い込む理由にはならないのです。