受験準備から入学までにかかるお金

では、本題。実際の私立中学校に入学するまでに、どれくらいお金がかかりそうでしょうか。順を追ってみていきましょう。

一例として、「4年生から4教科・大手進学塾に通った場合」のデータを比較すると、単純に入学金・毎月の月謝を足し算しただけで約120~200万円という計算になります。多くの塾で、学年が上がるごとに費用が上がる傾向がある点や、夏期・冬期講習や勉強合宿などの追加費用も考慮しておきたいところ。お子さんの状況によっては、補習用の個別塾や家庭教師を併用した場合なども想定しておく必要があるかもしれません。

ホームページや入塾案内などで確認ができる以外の費用が発生することを前提として、6年生まで通った場合を見積もっていくと安心できそうですね。

また今後は、COVID-19の感染拡大状況次第で、オンライン授業の活用がウエイトを占める割合が増えてくる可能性があります。パソコンやタブレットなどのIT機器、そしてインターネット接続環境の整備にかかるお金も心づもりしておけるとよいでしょう。

では、実際に学校に支払う費用について、生徒数・学校数ともに全国1位の東京都のデータを参考例としてみていきます。以下

都内私立中学校181校を調査対象とした、東京都発表の「令和2年(2020年)度 都内私立中学の学費の状況」からデータをご紹介します。

受験料

2020年度、都内私立中学校の検定料(受験料)の平均額は2万3200円
午前・午後で試験を実施する学校や、同一校で複数回受験できる学校も増えています。併願の選択肢が増えるぶん、検定料だけで10万円程度が必要となることも想定しておきましょう。

初年度納付金

2020年度の初年度納付金(授業料、入学金、施設費及び学則上のその他納付金(※3)については、以下のような調査結果が出ています。
初年度納付金(総額)
・平均額・・・97万531円
・最高額・・・189万500円
・最低額・・・54万8000円

「初年度納付金(総額)97万531円の内訳」(※詳細・各費目)の平均額
・授業料・・・48万0950円
・入学金・・・25万8066円
・施設費・・・42万36円
・その他・・・18万9479円
※3「授業料」、「その他」は毎年度納付する費用、「入学金」、「施設費」は入学時に一括納付する費用
金額は、延べ学校数(コース等によって学費が異なる場合はそれぞれ1校として計算)の平均額

「3年間で必要な費用」(平均金額(上述)をもとに算出)

・1年次・・・97万531円
・2年次・・・67万429円(授業料48万0950円+その他18万9479円)
・3年次・・・67万429円(同上)
・3年間合計・・・231万1389円
となります。

以上は「東京都内の私立中学の平均値」となりますが、学校差がある点や、在学中の値上げなども考慮しておくとよいでしょう。興味を持った学校の説明会などには早めに参加してリサーチしておくことをおすすめします。私立受験をしようか、少しでも迷い始めた時点で、資金準備について意識しておくことをおすすめします。