奨学金と教育ローン、違いは何?
教育ローンは、奨学金とならぶ、教育資金準備の方法です。両者の大きな違いは、
- 金融機関に申し込む教育ローンは親が申込んで借主となる
- 貸与型の奨学金は学生本人が借主となる
という点です。どちらも負債ですので、一定期間返済が滞れば信用情報にも関わります。
以下、特徴を整理していきましょう。
貸与型奨学金(※2)
年利0.157~0.003%(利率固定方式・見直し方式)/毎月貸付型
金融機関の教育ローン(※3)
- 年利2~4%台が多い
- 希望の時期にまとまった金額の融資を受けられる
- 融資実行までが短期間のことが多い
日本政策金融公庫「教育一般貸付(国の教育ローン)」
- 固定金利1.7%(2020年6月現在)
- 所得の制限(上限)あり
- 融資実行までに数週間かかることも
教育ローンの融資金利は高めだといえますが、受験前から申し込みが可能で、融資審査が通れば希望の時期にまとまった金額を受けることができます。受験費用や合格後の納付金、入学費や住居費など、進学に関わることに幅広く利用できるというメリットがあります。
ただし借入金額・金利は返済総額に大きく影響します。奨学金や教育ローンを検討する場合は、早めに情報を集めて預貯金や学資保険などと合わせて計画を立てていきましょう。冒頭でもお話したとおり、例年、進学前年の5~6月頃より奨学金の予約採用の募集が開始します。金融機関によっては住宅ローン利用者の金利優遇があるケースもありますので、情報を広く集めて比較・検討していくことをおすすめします。
親子で返済計画の共有を
奨学金も教育ローンも、平たくいえば借金です。若年世代にとって「奨学金を利用する」という現実は、どのように受け止められているのでしょうか。SMBCコンシューマーファイナンス株式会社の「10代の金銭感覚についての意識調査2020 」(2020年4月2日公表)によると、奨学金を利用中の学生のうち、2割強の人が内容をほとんど把握していないことが判明しています。「返済義務を負う人」について理解している大学生は約6割(59.5%)でしたが、返済方法(48.1%)や返済開始時期(40.5%)については5割を下回る結果となりました。