「大卒イコール正規雇用」ではない現実。奨学金「無理なく返せる?」「教育ローンとの違いは?」

2.7人に1人が奨学金を利用

先ほどのデータでは、「大学に進学しても必ずしも正規雇用に結びつくとはいえない」という現実も垣間見ることができました。それでも進学率は年々上昇しています。とはいえ、すべての家庭が子どもの希望をかなえられるだけの教育費を準備できるわけではありません、そんな経済的な困難を抱える学生を支援する仕組みが奨学金制度です。

文部科学省管轄の独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)(※1)によると、2017年度における高等教育機関(大学・短大・大学院・高等専門学校・専修学校[専門課程])の学生に対する貸与割合は37%。2.7人に1人がJASSOの奨学金を利用していることが分かります。

多くの学生が奨学金制度を利用している背景には、進学に関わる費用の高さ、そして家計収入の減少などにより教育費が家計の大きな負担になっていることが要因だといえるでしょう。日本政策金融公庫の「令和元年度『教育費負担の実態調査結果』」から、入学・在学にかかる費用に関するデータをみていきます。

卒業までにいくらかかるの?

入学費用には、「受験費用」「学校納付金」「入学しなかった学校への納付金」も含まれます。在学費用には、授業料や通学費などの「学校教育費」、参考書購入などの「家庭教育費」も含んだ数値となっています。

  • 高専・専修・各種学校

[入学費用]57万円+[在学費用]289万4000円
[入在学費用合計]約346万円

  • 私立短大

[入学費用66万9000円+[在学費用]295万6000円
[入在学費用合計]約363万円

  • 国公立大学

[入学費用]71万4000円+[在学費用]428万円
[入在学費用合計]約499万円

  • 私立大学文系

[入学費用]86万6000円+[在学費用]630万4000円
[入在学費用合計]約717万円

  • 私立大学理系

[入学費用]84万5000円+[在学費用]737万2000円
[入在学費用合計]約822万円

短大を選んだ場合でも合計で360万円超、国立大で約500万円、私立大では700万円から800万円が必要となることが分かります。では、こうした教育費は、家計においてどれくらいの割合を占めているのかを見ていきます。

世帯年収に占める在学費用の割合

世帯年収に占める大学進学費用(家庭の子ども全員にかかる費用)の割合です。
《世帯収入別割合》

  • 200~400万円未満:37.5%
  • 400~600万円未満:22.5%
  • 600~800万円未満:19.9%
  • 800万円以上:13.3%

平均で16.3%ですが、世帯収入が低いほど、その負担の重さが分かります。

参考記事

ニュースレター

メールアドレスをご登録いただくと、毎朝LIMOの更新情報をお届けいたします。
LIMO編集部

LIMO編集部は、個人投資家向け金融経済メディアであるLongine(ロンジン)の執筆者である国内外大手証券会社で証券アナリストや運用会社のファンドマネージャーとして長年の調査や運用経験を持つメンバーやビジネス系インターネットメディアでの運営経験者等を中心に立ち上げ。その後Longineのサービスは2020年3月に終了となったが、Longine編集部のメンバーは引き続きLIMO編集部のメンバーとして在籍し、お金のプロとしてコンテンツ編集や情報を発信しています。LIMO編集部は、証券・金融業務メンバーに業界紙出身の新聞記者などもメンバーに加え、国内のみならずグローバルの視点から、金融・経済ニュースや投資に関する知識・アイデア、ビジネスパーソンの役に立つ情報をわかりやすくお届けします。