デジタル化の加速(景気回復〜再構築へ)
今後、「景気回復」の時期が1年後になるか、2年後になるか、不透明です。そして、今回のコロナ危機を境にして社会が変容しているようにも感じられ、いずれ社会システム、人・企業の行動パターン、期待されるサービスなどが「再構築」されていくのではないでしょうか。
中小企業政策についても同様です。「緊急対策」〜「景気後退」のフェーズでは、たとえば、中小企業のキャッシュ不足に応じた政策融資・信用保証増枠、雇用維持策(補助金)、増大する不良債権を抱える銀行への公的資金注入など、伝統的な施策が功を奏すると思います。
しかし、コロナ危機後を見据えると、伝統的な中小企業政策・施策パターンでは適合しなくなるかもしれません。その前提条件となる社会の変容としては、「デジタル化の加速」が考えられます。
身近な例で言えば、コロナ危機前はテレビ会議・ウェビナーなどやったことがなかった人々も必要に迫られ、在宅ワークに慣れ始めています。
テレビ会議の場合、アポとアポの間の移動時間がないため効率的に予定を入れられるので、出勤・移動が無駄に思えてきます。そうなれば、出張(特に、コストが割高な海外出張)の目的は何なのかと問い直され、出張頻度はかなり絞られてくるでしょう。
現業職でないホワイトカラー・管理職・研究職の仕事などは、突き詰めればほとんどオンライン化できますし、そのほうがデータに基づく業務管理もしやすくなるでしょう。この辺りは、以前のような環境には戻らないのではないでしょうか。