現在、世界各国の政府がコロナ危機に対処して緊急対策を打ち出している最中です。しかし、先行きは世界的な景気低迷が予想され、コロナ危機後の世の中は一体どうなっていくのかと盛んに議論されています。
今回は、世界中の中小企業を取り巻くコロナ危機後の情勢を想像しつつ、中小企業政策・施策のあり方について考えてみたいと思います。
当面2〜3年ほどのフェーズ区分が必要
まず、今後のことを考える際の基本的な枠組みとして、コロナ危機前、緊急対策、景気後退、景気回復、そして、再構築、コロナ危機後、という時期に区分する必要があるでしょう。
そのように区分すれば、それぞれのフェーズに合致した中小企業政策・施策というものが必要になるであろうことが容易に想像できます。
そして問題は、コロナ危機前に形成、実施されてきた中小企業政策・施策を、コロナ危機後も再び採用することが適切となるどうかです。言い換えれば、中小企業政策・施策を検討する上での前提条件となる社会システムや中小企業経営が、コロナ危機前とコロナ危機後でいかに変容していくか、あるいは以前と同じ状況に戻るのか、という疑問です。
深刻になる財源不足という問題(緊急対策〜景気後退)
まず、現在は「緊急対策」のフェーズですので、世界各国の政府は通常予算とは別枠で財源を迅速に確保することが求められています。
各国政府のコロナ対策予算は、企業支援、雇用保険・失業対策、自営業者・フリーター支援、子育て世帯支援等を含みますが、主要国では米国200兆円、ドイツ129兆円、スペイン23兆円、フランス5兆円、イタリア3兆円、といった概況です(参考:六辻彰二氏 2020年4月6日付け記事)。