「最後に頼れるのは自分自身」

しかし、辞めませんでした。確かに「しっかりして」という言葉はきっかけだったのかもしれませんが、持続させたのは「頼れるのは自分だけ」という言葉が引っかかっていたのです。

少子高齢化が進むなか、しっかりと体力や筋力の自己管理をしていかなければ、後々困るのは自分であり、生活スタイルや態度はすぐに身体に現れることを考えさせられたのです。

先生は、50代後半の運動科学博士でもある女性の教授でした。実技だけではなく、運動科学を背景にピラティス学を分かりやすく冗談をまじえながら教えてくれました。落ちこぼれの筆者にも特別目をかけてくれました。

先生に恵まれたこともあり、学べば学ぶほどピラティスに魅かれていきました。毎日、家で練習してクラスメイトに少しずつついて行けるようになりました。何より喜んだのは先生。約4カ月間での変わりように、「こんなに変わるのなら、ビデオにとっておけばよかった」と。

今になっては笑い話ですが、先生は、最初「オーマイガット!この人どうしよう」と困っていたのだと話します。その後もその先生と友人関係を保ち、クラスに参加させてもらいながら、指導員として働くつもりはないものの、頑張った証として(マット)ピラティスの指導員の試験を受けることにしました。