恥を忍んでピラティスクラスへ

偉そうなことを言う母はと言えば、我々子供たちもそれぞれ独立し、父に先立たれた後、1人暮らしになり「頼れるのは自分だけだから」と、シニア専用のエクセサイズクラスに何年も通っていました。転ばないバランス力や筋力をつけ、体をきたえているのです。

さすがに母からの「しっかりして」という言葉に目を覚まし、アメリカに戻ってから、トレッドミルをしたり、自己流で筋トレもどきを始めました。

ところが、急に闇雲に自己流の運動を始めたせいか、数カ月後、膝を痛めてしまいました。そんな時、勤めていた大学の体育学部でピラティスのクラスがあることを知りました。今まで、日本でもアメリカでも何度かヨガクラスには参加した事がありましたが、身体が固い筆者は何度も挫折を繰り返していたのです。

そんな落ちこぼれが、今考えれば、いきなりハードルの高いピラティスの世界へ迷い込むとは。無知とは怖いものです。当時「ピラティス」とは何だかよくわからないまま、そのクラスを受ける事にしました。

アジア人でしかもおばさんは筆者のみ。初心者向けとは言え、クラスメイトはダンス専攻だとか、チアリーダーだとか、身体能力の高い若い学生。こちらはポンコツ。いくら後ろ列の隅に隠れても、逆に目立ってしまい、恥ずかしい思いをしました。