まとめにかえて
先述の日本財団の調査では、遺言書を作ろうと思ったきっかけの上位に「自身の体調不良」や「家族の死や病気」という回答が挙がっています。
さらに、遺言書を作った理由の上位は、「相続争いを避けるため」の他に、「特定の財産をあげたい相続人がいる」「平等に相続させたいため」「相続財産に差をつけたいため」などとなっています。
事情はそれぞれ異なりますが、どの遺言にも共通するのは、「自分の気持ちを遺す」という点。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大で、私たちが生きる環境は一変しました。
自分自身の“もしものとき”について意識するようになった、という人は多いと思います。
「先日まで元気だったのに・・・」という現実は、もはや他人事ではありません。
自分亡き後に思いを託す「遺言」について、みなさんに考えていただくきっかけになればと思います。
【参考URL】
「相続に関するルールが大きく変わります」法務省
「遺言」デジタル大辞林(小学館) コトバンク
「民法第967条」 e-Gov法令検索
「法律行為に関する証書作成の基本手数料」日本公証人連合会
「家事審判・調停事件の事件別新受件数―全家庭裁判所」司法統計 家事平成30年度第2表 裁判所
「平成28年の遺言公正証書作成件数について」日本公証人連合会
「令和元年(平成31年)の遺言公正証書作成件数について」日本公証人連合会
「遺言能力」法律用語事典第4版(有斐閣)ジャパンナレッジ
「遺言書に関する調査」日本財団
池上 翠