法律上、15歳以上で判断能力があれば、だれでも遺言をすることができます。
これを「遺言能力」といい、法律用語辞典第4版(有斐閣)では以下のように定義されています。

【遺言能力 いごん‐のうりょく】
遺言を単独で有効に行うことができる法律上の地位あるいは資格。
遺言を行うには行為能力は必要ないが、事物に対する一応の判断力すなわち意思能力は必要である。
民法は、満一五歳に達すれば未成年者でも単独で遺言ができ、事理を弁識する能力を一時回復した成年被後見人は、二人以上の医師の立会いを得て、単独で有効な遺言をすることができ、被保佐人、被補助人の遺言は、保佐人、補助人の同意を要しないとしている(民法961〜963・971条)。

15歳から遺言可能、とはいえ、まだ財産形成が十分ではない若年層にはピンとこないでしょう。
では、遺言を作成しているのはどれくらいの年齢層が多いのでしょうか?

日本財団が、遺言書を作成している40歳以上の男女を対象に行った意識調査では「遺言書の作成時期」について、以下のような興味深い結果が出ています。

「遺言書の作成時期」について
20歳代以下…2.5%
30歳代…7%
40歳代…23%
50歳代…23%
60歳代…35%
70歳代以上…2.5%
覚えていない…7%
(参考「遺言書に関する調査」2016年 日本財団)

回答者の55.5%が、50歳代までの現役世代のうちに遺言書を作成したという計算になりますね。
年金の支給開始や定年退職の年齢が引き上げられ、現役で活躍するシルバー世代が増えるこのご時世、ちょっと意外な数字だと感じた人もいるでしょう。

いつ作るかのタイミングは人それぞれですが、「自分は遺言書を作ったほうがよいのか」「作るとしたら、何歳ごろか」といった意識は、早くから持っておくべきなのかしれません。