家庭裁判所で扱う遺産分割事件は13年間で約4割増

直近の統計データではありませんが、「平成24年度司法統計」(最高裁判所)によると、家庭裁判所への相続関係の相談件数は、 10年で約2倍に増加しているようです(平成24年は約17万5千件)。

また、遺産分割事件の件数(家事調停・審判) も、平成14年の9,148件が13年後の平成27年には12,615件に増加しており、過去最高となりました。平成28年はやや減少して12,188件となりましたが、高水準であることに変わりありません。

ちなみに、1985年は約5,100件だったと見られることからも、遺産相続に係るトラブルが増加の一途を辿っていることがわかります。

遺言書は厳格に定められた様式の“文章”しか認められない

そこで、前述したように、自らが生前に遺産分割の内容や方法を、法律で定められた様式に従って、文章として残しておくのが遺言です。ここで重要な点は、

  • 法律で定められた様式である
  • 文章にする(用紙に残す)

という2点です。

録音テープや動画は全て無効ですし、原則的にメールも無効です。ましてや、口約束など論外なのです。世の中のハイテク化が進んだ現在でも、遺言は厳格な“紙ベース”の世界であることに注意してください。USBメモリに残したとか、スマホで動画を自撮りした等は一切通用しません。