有給休暇は本来、労働者が自由に取得できるものであり、企業が任意に定める特別休暇(病気休暇や慶弔休暇など)とは別枠です。

ところが、COVID-19拡大の影響によって休業する場合、特別休暇よりも有給休暇を優先的に消化するよう、労働者に対して要請する事業者も出てきたというのが実状のようです。

時給制などで働く非正規労働者は、仕事を休めばその分だけ収入が減ってしまいます。病気やケガなど万が一の事態に備えるために有給休暇を残しておきたいと思うのは自然なことでしょう。

「有給休暇が残っていない」「有給休暇を使いたくない」などという場合、無給の欠勤扱いになってしまうケースも。

休暇を取得するうえで正規労働者との格差があっても、退社を迫られたり、契約が打ち切られてしまったりする事態を恐れて、会社には何も言えない・・・という人も多いようです。

長年問題視されてきた、正規労働者と非正規労働者の待遇差が、今回のCOVID-19への感染抑止対応であらためて浮き彫りになったという一例でしょう。

一方でこの4月、正規・非正規の非合理な待遇差を認めない「パートタイム・有期雇用労働法」、いわゆる「同一労働同一賃金」が施行されたばかり。
今後は、正規・非正規間の待遇面での差が解消に進むことも考えられるでしょう。

「雇用調整助成金」の活用による「休業手当」支給

では、ここで、「休業手当」と、4月1日から特例措置として拡充された「雇用調整助成金」について触れておきましょう。どちらも正規・非正規雇用を問わず対象となります。