そういう意味では、クラフトビールは作り手の個性が反映された、より属人的なビールと言えるかもしれません。

地ビールからクラフトビールへ

クラフトビールと同じような概念のものに「地ビール」があり、少し前までは大手ビールメーカーが出しているビール以外は、ほぼ地ビールと呼ばれていました。

これも明確に定義することは難しいのですが、地ビールは日本酒でいうところの「地酒」と同じような意味合いであり、「それぞれの土地・地域に根付いた方法で製造しているビール」というニュアンスを持っています。

そのため、今でも地ビールという表現とクラフトビールという表現は両方使われていますし、同じビールでもあるメディアでは「地ビール」として紹介され、他のメディアでは「クラフトビール」として紹介されることもあります。

ただ、最近のビール業界ではビールの個性をアピールする傾向にあるので、より個性としてわかりやすい「作り手(醸造所・醸造家)」にスポットを当てた結果、地ビールという表現が徐々にクラフトビールという表現に移り変わっていっているのでしょう。

より多種多様なスタイルを楽しめるのがクラフトビール

普通のビールを飲まない人がビールを嫌いな理由として挙げるときに最も多いのは、「苦いから」という理由です。もちろんクラフトビールの中にも苦いものはありますし、苦みを表す指標の1つである「IBU(International Bitterness Units)」が普通のビールよりはるかに高いものも存在します。