近年、「若者の○○離れ」という言葉を頻繁に聞きますが、その中でもよく耳にするものの1つに「若者のビール離れ」があります。ビール以外のアルコール飲料の選択肢が増えたり、お酒の場でのアルコール・ハラスメントが問題になったり、また飲み会自体が減少したりと、その背景にはいろいろな理由があるでしょう。

しかしその一方で、クラフトビールは順調に売り上げを伸ばしてきており、「大手メーカーのビールはあまり飲まないけれどクラフトビールはよく飲む」という人もいるぐらいです(筆者もその1人です)。ただ「そもそもクラフトビールと普通のビールの何が違うか分からない」という人もいるのではないでしょうか。

そこで今回は、クラフトビールと普通のビールの違いについて説明したいと思います。なお、今回「普通のビール」と呼ぶビールは、アサヒビールならスーパードライ、サントリーならプレミアムモルツなど、大手メーカーが製造しているビールだとお考えください。

地ビールメーカーは順調に出荷量を伸ばしている

東京商工リサーチによる「第10回地ビールメーカー動向調査」によると、全国主要地ビールメーカー70社の2019年1~8月の総出荷量は、8,966.8klで前年同期比4.0%増でした。

大手ビール会社の出荷量が年々減少し、2019年前期の出荷量も前年を下回っていることを考えると、あらためて「ビール」に対する認識が年々変化していることが分かります。