アニメ映画を否定するつもりは全くありませんし、筆者も観に行くことがあります。ただ、一部の時事社会派アニメ映画を除くと、鑑賞者の多くは子供を中心とした若年層と推察されます。若年世代の絶対数が減っていく中、彼らの嗜好が大きく変わりやすいことに注意が必要でしょう。

日本の映画産業界が、現在の邦画不振にさらなる危機感を持ってもらいたいと思います。

新型コロナウイルスの影響を甘く見てはいけない

また、足許では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大による一連の影響(外出自粛、公開延期など)を大きく受けています。

3月第2週末(14~15日の2日間)は、観客動員と興行収入ともに昨年同期比で▲73%減の壊滅的減少に陥ったという結果が出ています。現状を踏まえると、少なくとも3月一杯は回復が見込み難く、下手をすると書き入れ時のGWにも影響が残るでしょう。

もちろん、“ウイルス感染が収束すれば全然問題ない”という見方もあると思います。しかし、娯楽産業というのは、いったん客離れが始まると雪崩式に続き、なかなか元に戻らない性質があります。いい流れを継続すべき時に、今回の事態は大きな痛手になるかもしれません。

こうした点に注意しながら、今後の映画産業の動向に目を向けていきたいと考えています。

葛西 裕一