いくら美味しいものを食べ続けても限界はありますし、仮に食べ続けられたとしても、いわゆる生活習慣病のリスクが高まり、最悪は死に至ることもあるでしょう。これと同じように、株価暴落は人間の金銭欲に対する自制を促すメカニズムではないかと筆者は考えています。

それでも資産形成は必要

では、こうしたメカニズムに恐れをなし、何もしなくても資産形成はできるのでしょうか。
 
筆者は資産形成においては、必ずしも株式や投資信託に投資しなくてもいいと思っています。預貯金でコツコツ残していくのも悪くありませんし、リスクは絶対取りたくないという方もいらっしゃいます。

余計なことは考えたくないという方もいらっしゃれば、稼ぐのは仕事で十分と思っている方もいらっしゃるでしょう。また、資産形成とか資産運用というと、怪しい投資話と十把一からげに考える方もいらっしゃいます(実際、金融詐欺が跋扈していますから要注意であることは事実です)。

ところが、住宅資金や教育資金、起業資金、老後資金等の必要性を考えていくと、やり方はどうあれ、ある程度の貯蓄を持つこと、すなわち資産形成を図って行かないと前向きな人生を送ることは難しいでしょう。

つみたて投資で着実な資産形成を

では、どうやって資産形成をしていけばいいのかでしょう。答えはシンプルです。つみたて投資を続けることです。これは筆者の仕事柄からくる我田引水でもなんでもありません。

話をシンプルにするために相続のことは脇に置いておくと、もともと大金を持って生まれてくる人はおらず、仕事をして初めてお金がもらえます。将来の生活設計のため、初めは少ない給料の中から、貯蓄する以外お金を貯める方法はありません。

貯蓄と言うと預貯金で増やすイメージですが、現在の低金利下ではお金は増えません。10年満期の日本国債の利回りでさえほぼゼロ%の時代です※(執筆時)。

※参考:日本国債・金利(Bloomberg)

しかもタイミング的にはコロナショック。金利は下がっても上がる状況にはありません。一般の方が資産形成するにあたって預貯金や日本の国債では役不足なのです。