どんなスクリーニング方法でファンドを選ぶか
では、日本で約6000本ある投資信託の中から、どのファンドを選ぶかということですが、私なら次のスクリーニング方法で選択します。
1. 購入手数料がかからず、信託報酬が0.2%以下のもの
信託報酬も0%と言いたいですが、そうするとファンドや販売会社が限定されるので、そこまで無理は言いません。
2. インデックス・ファンド
インデックス・ファンドは、たとえば日経平均株価やニューヨーク・ダウといった株価全体の動きに連動するように運用される投資信託のことです。日経平均株価が1%上昇(下落)すると、その日経平均株価連動インデックス・ファンドの基準価額も1%上昇(下落)する投資信託とご理解ください。
したがって、個別株式がいくら上昇(下落)しようが、日経平均株価の変動率にしか追随することしかできません。その代わり、インデックス・ファンドは個別株式を選択をする必要がありません。機械的に日経平均株価の対象銘柄(225銘柄)に運用するだけですから、運用コストは0.数%とほとんどかかりません(これは投資対象が日経平均株価であろうと、ニューヨークダウであろうと同様です)。
一方、インデックス・ファンドとは逆の概念であるアクティブ・ファンドは、個別株式を選択することで、たとえば日経平均株価以上の運用成果を目指す投資信託です。平均以上の運用成果を目指すわけですから、銘柄選択により高い調査費用や人件費がかかるため、運用コストは年間1〜2%程度かかります。
インデックス・ファンドとアクティブ・ファンドはどちらが良いかという議論はさておき、運用コストが低くわかりやすいという観点から、つみたて投資をするならインデックス・ファンドで十分だと筆者は考えています。
3. 投資対象インデックスが30年単位で長期的にプラス・リターンを計上してきたもの
たとえば、米国株のS&P500指数やニューヨーク・ダウなどです。一方、個別株式は別として、日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)など日本株全体に対しては懐疑的です。
なぜなら、日銀は2010年12月以来、日本株ETF(上場投信)を30兆円以上購入してきたにもかかわらず、結局コロナショックの株価下落を下支えできないことが明らかになったからです。長期つみたて投資は、過去の大きな経済ショックを乗り越えてもなお上昇する資産を投資対象とするべきだと思います。