この結果、金融詐欺にあったと回答した人は4.6%存在することがわかりました。注目すべきことは、金融リテラシーについて自信過剰な人ほど金融詐欺被害率が高かったという点です。

同調査では、「同世代の人と比べると自分は金融知識が高い」と考えているのにもかかわらず、実際には「金融リテラシークイズ」の得点が平均値よりも低かった人を「金融リテラシーの自信過剰な人」と定義しています。

自信過剰な人の金融詐欺被害率は、そうでない人に比べて突出して高くなっていたのです。「自分は絶対にだまされない」と考える人ほど、十分に注意する必要があるでしょう。

(参考記事:『金融詐欺の被害にあいやすいのは「自信過剰な人」』)

高齢者は金利を理解するのが苦手

フィデリティ退職・投資教育研究所の調査によると、高齢者では金利に関する理解がとくに低いことが明らかになりました。さきに紹介した金利に関する設問や「単利と複利の理解」に関するクイズで「わからない」と回答する人が3割以上を占めたのです。

この原因の1つに、そもそも借金や投資をする人が日本人には多くないということがあるでしょう。金利に関わる経験値が高くないのです。金利をしっかり理解することが金融リテラシーを向上させるカギになる可能性があります。

一方、加齢による思考力や判断力の低下が自信過剰の原因になるケースも少なくありません。高齢者については単純に金融リテラシーが高いか低いかではなく、自分の金融リテラシーの水準を正しく理解しているかどうかが金融詐欺を防ぐための重要なポイントになってくるでしょう。

(参考記事:『金利に対する理解力の弱さが目立つ高齢者~金融リテラシークイズの結果から』)

【参考】
『金融リテラシー調査2019年調査結果』金融広報中央委員会(知るぽると)

LIMO編集部