外国の投資家で、「資産の1割を日本株で、残りを外国株で運用する」と決めている人は、円安ドル高になると日本株のドル換算価格が値下がりするため、自動的に日本株が資産の1割以下になってしまうので、外国株を売って日本株を買う必要が出てきます。

機関投資家の中には日本株の比率を決めているところも多いようなので、こうした日本株買いが日本の株価を押し上げる効果も、小さくないのかもしれませんね。

美人投票が日本株を押し上げることも

人々は、円安になると日本株が値上がりすることを経験的に知っていますから、円安になった時に「株が上がりそうだから買おう」と考える投資家が多いでしょう。そうなると、「他の投資家が買いそうだから、自分も買おう」という投資家も増えてきます。

こうして、美人投票的に株価が上昇するというメカニズムも働くはずです。そうなると、次回の株安の時はさらに多くの投資家が買うようになり、このメカニズムは自然と強化されていくわけですね。

本稿は、以上です。なお、本稿は筆者の個人的な見解であり、筆者の属する組織その他の見解ではありません。また、厳密さより理解の容易さを優先しているため、細部が事実と異なる場合があります。ご了承ください。

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塚崎 公義