たとえば、部下の態度に不審な点があり、休憩時間に大麻でも吸ってきたのでは…?と上司が憶測(確信)しても、これを咎めるのは厳禁です。薬物検査をさせようものなら、それはれっきとしたプライバシー侵害に相当し、逆に上司が罰せられます。

この法は昨年2018年、AVG(一般データ保護規則)により施行されることになりました。その目的は、個人データがより適切に保護されることを意図しています。ただし、航空法、海運法、道路交通法を犯すおそれがある場合はこれに相当せず、薬物検査が行われます。

兵役逃れに大麻が”活躍”

年齢にしてアラ還(暦)のオランダ人男性のほとんどは20代の頃、兵役に就く義務がありました。しかし中には、「人殺し訓練の義務化」だと反発したり、真向から拒絶する若者も多かったと言います。

そんな彼らは、徴兵面接の数日前から大麻を大量に吸い、にわか中毒者を装って、見事(?)に「病人」として兵役不適格の印をもらい受けることができたそうです(ちなみに、こうした若者たちに対しては、全国各地の老人ホームで介護士助手として働く義務が兵役の代わりに課せられていました)。

こうしてみると、大麻とのつき合い方に年季が入っているとも言えるオランダですが、それはこの国の厚生省や文部省をはじめ、政府と民間企業の重鎮らの間で徹底的に交わされた議論が法として施行されたからであり、年月を経た試行錯誤の結果であることを忘れてはならないと思います。

稲葉 かおる