日本へのインバウンドが増えてきています。日本政府観光局のデータ(2019年10月末時点)によれば、2019年の年初からの訪日外客数は2691万人となり、前年同月末の2611万人と比べ約80万人・3%増となっています。
10年前の2009年10月末時点での年初来の外客数はわずか560万人でしたから、この10年でインバウンドは約5倍に増えていることになります。すさまじい増え方ですね。
訪日客大幅増加に関する疑問
筆者が感じるだけでも大都市圏への外国人観光客は増えていますし、冬にはゲレンデの半分くらいがオーストラリアや中国からの外国人スキーヤーでいっぱいのスキー場もあります。また、日本人でも知らないようなところにもインバウンド観光客が増えているのを実感します。
たくさんの訪日客に来ていただけるのはありがたいことですし、地元にそれなりのカネを落としてくれるので大歓迎なのですが、根本的な疑問が残ります。
それは、「日本がなぜそんなに人気の観光地なのか?」です。
まず観光という観点からは、たしかに訪れるべき場所やモノ・コトには事欠きません。西洋とは全く異なる歴史や文化。東洋でも島国として長く鎖国をしていたくらいの異端の国。欧米列強国にも屈さなかったアジアの稀有な国。
そして、伝統とテクノロジーが渾然一体となっている社会。冬は北海道でスキーを楽しみながら、同じ時期に沖縄で海水浴を楽しめる南北3000キロにわたる列島ならではの四季と食。