確かに訪れる価値はある国だと思います。それでも、なぜ今さら?と思うのは筆者だけではないでしょう。

筆者はその理由をこのように推量します。それは、観光地としての日本がかなり割安になっているからではないかということです。

インバウンド客は海外から飛行機なり、近場であればフェリーなどで来日するわけです。時間をかけ交通費を出してまでわざわざ来日するということは、そのコストをカバーして余りある価値がないと、わざわざ来ません。加えて、それが他国と比べて安ければなお良しといったところでしょう。

世界の主要商業地の賃料を見てみる

実は日本が割安になっているのではないかと推察できるデータがあります。

米国の不動産会社であるクッシュマン・ウェイクフィールド社は、例年発表している“Main Streets Across The World”(世界の大通り)というレポートの中で主要商業地の賃料を毎年発表しています。図表1は、そのデータからアジア地域を抽出し、主要都市の賃料を1平方メートルあたりの高い順で並べてみたものです。

図表1:アジア主要都市の商業地賃料ランキング

出所:2018 edition of Cushman & Wakefield’s global flagship report, Main Streets Across The World 表は筆者作成。

このデータによると、アジア地域で最も賃料が高い都市は香港です。香港の銅鑼湾(コーズウェイベイ)はアジアだけではなく世界で最も賃料が高い商業地です。ちなみに世界の賃料トップ5は次のようになります。