「リクルートホールディングスで働くと、実際どれくらいの年収が期待できるのか」「巨大グループ全体の給料はどう変わってきたのか」と気になっていませんか。
最新の有価証券報告書によれば、提出会社の平均年間給与は1162万4997円まで上昇し、平均年齢は40.2歳、平均勤続年数は9.3年となっています。
ただし、これは持株会社としての少数精鋭の人員構成を反映した数字で、主要な国内事業を担う子会社「株式会社リクルート」の実態はまた異なります。
本記事では、有価証券報告書をもとに、グループ全体・持株会社・主要子会社それぞれの平均年間給与や従業員数を詳しく見ていきます。
就職や転職はもちろん、同社株式への投資を検討する際の判断材料としてもお役立てください。
- 平均年間給与1162万4997円の実態:持株会社体制のもと、グループ経営を担う提出会社(従業員130名)の少数精鋭構成が平均額を押し上げている。
- 主要子会社「株式会社リクルート」との違い:国内事業の中核を担う同社の平均年間給与は763万8676円で、従業員数(1万1776名)・給与水準ともに持株会社とは大きく異なる。
- グループ連結の従業員規模:連結従業員数は4万5586名で、HRテクノロジー・人材派遣・マーケティング・マッチング・テクノロジーの3つのSBU(戦略ビジネスユニット)で構成されている。
1. リクルートホールディングスの平均年間給与はいくらか
リクルートホールディングスが2026年6月19日に提出した有価証券報告書(事業年度:2025年4月1日~2026年3月31日)によると、提出会社(単体)の平均年間給与は1162万4997円でした。
前事業年度比では1.5%の増加となっています。
同時点における従業員の平均年齢は40.2歳、平均勤続年数は9.3年です。
提出会社の従業員数は130名(臨時従業員数5名)で、セグメント別の内訳は人材派遣が7名、全社(共通)が123名となっています。
提出会社はグループのガバナンスやモニタリングなど持株会社機能に特化した組織であり、実際の事業運営を担う各SBU(戦略ビジネスユニット)とは組織としての性格が異なります。
そのため、少数精鋭の管理部門人員によって平均年間給与が押し上げられている点には注意が必要です。
実際、同社が2018年に開示した有価証券報告書では、提出会社の従業員数は609名、平均年間給与は958万4837円でした。
この間に持株会社体制への移行が進んだことで、提出会社の従業員数は5分の1程度まで減少する一方、平均年間給与は水準を切り上げてきました。
1.1 主要な国内連結子会社「株式会社リクルート」の給与データ
有価証券報告書では、主要な国内連結子会社である株式会社リクルートの給与データも開示されています。
2026年3月31日現在、同社の平均年間給与は763万8676円です。
前事業年度比では3.4%の増加となっています。
平均年齢は33.7歳、平均勤続年数は6.6年です。
従業員数は1万1776名(臨時従業員数250名)となっています。
国内の実際の事業運営を担う同社の数値のほうが、現場で働く従業員の待遇実態に近いといえるでしょう。
2. リクルートホールディングスの従業員数は何人か
連結ベースで見ると、リクルートホールディングスグループの従業員数は4万5586名です(臨時従業員数1464名)。
セグメント別の内訳は以下の通りです。
- HRテクノロジー:1万8005名(臨時従業員数44名)
- 人材派遣:1万3354名(臨時従業員数1019名)
- マーケティング・マッチング・テクノロジー:1万4096名(臨時従業員数396名)
- 全社(共通):131名(臨時従業員数5名)
HRテクノロジーSBUは、IndeedやGlassdoorを通じて60以上の国と地域でグローバル人材マーケットプレイスを提供し、個人ユーザーの求職活動と企業の採用活動をサポートしています。
人材派遣SBUは、欧州や米州、そして日本やオーストラリアを含むアジア太平洋地域で、総合的な人材派遣サービス事業を展開しています。
マーケティング・マッチング・テクノロジーSBUは、日本国内で住宅・美容・旅行・飲食など各分野のバーティカルマッチングプラットフォームと、業務支援SaaSを提供しています。
なお、提出会社単体の従業員数は前事業年度から14名増加していますが、これは主にSBU横断プロジェクトの立ち上げや、コーポレートブランドマネジメント機能の移管等によるものです。
3. まとめにかえて
年収や給与といった金銭面での条件は、仕事をする人にとって誰もが気になる要素ではないでしょうか。
金銭面での処遇以外にも、働きがいや働きやすさといった職場環境が大事なのは言うまでもありません。
ただ、年収や給与などの「お金」の話は親しい仲でも聞きにくいというのが実際ではないでしょうか。
こうしたデータが就職活動や転職活動、そして投資判断の参考になれば幸いです。
3.1 【注意点】有価証券報告書における年間平均給与及び従業員数について
平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでいます。
また、従業員数は、社外からの出向者を含み、社外への出向者は含みません。
3.2 【ご参考】有価証券報告書とは
日本取引所グループによれば、金融商品取引法に基づく法定開示として、財務内容や事業・営業の概要を記した有価証券報告書を各地財務局に提出することが上場企業に義務付けられており、その内容は金融庁のEDINETで誰でも閲覧できるとされています。
有価証券報告書は、原則として事業年度経過後3カ月以内に提出することが求められています。
4. 本記事の監修を終えて:新NISAで資産運用を行う元FP会社職員の監修者コメント
リクルートホールディングスの有価証券報告書を見ると、提出会社(持株会社)と主要子会社である株式会社リクルートとで、平均年間給与や従業員数の水準が大きく異なることが分かります。これは同社が持株会社体制へ移行し、グループ経営を担う機能と実際の事業運営を担う機能を組織として明確に分けているためです。就職や転職を検討する際は、「リクルートホールディングス」という社名だけで年収水準をイメージするのではなく、実際にどの事業会社・どのSBU(戦略ビジネスユニット)に所属することになるのかを、募集要項やキャリア採用の説明会などで具体的に確認することをおすすめします。特にHRテクノロジー、人材派遣、マーケティング・マッチング・テクノロジーという3つのSBUは、それぞれ事業内容も従業員構成も異なる点にも注意しておきましょう。
一方、投資家目線で見ると、リクルートホールディングスは人的資本への投資を経営上の重要テーマの一つに位置付けています。同社は2021年5月に、すべての従業員の価値創造への意欲を最大化することを改めて経営の重要テーマとし、ジェンダーパリティを目指す方針を定めるなど、ステークホルダーとの共存共栄を通じた持続的な成長を掲げる経営戦略のもとで、人材育成や働きやすい職場づくりに取り組んでいます。主要子会社である株式会社リクルートの平均年間給与の伸び率(前事業年度比3.4%増)が、提出会社の伸び率(同1.5%増)を上回っている点は、実際に事業を動かす現場人材への還元が進んでいることの表れとも読み取れます。
新NISA等を活用して同社株式への長期投資を検討する場合は、単年度の平均給与の増減だけでなく、有価証券報告書が毎年開示するセグメント別の従業員数・給与データの推移を継続的に確認し、人件費の増加が事業の生産性向上や企業価値の向上にどうつながっているかを見極める視点を持つとよいでしょう。
参考資料
- 株式会社リクルートホールディングス「有価証券報告書」2026年3月期
- 株式会社リクルートホールディングス「有価証券報告書」2018年3月期
- 株式会社リクルートホールディングス ビジネスモデル(SBU体制について)
- 日本取引所グループ「3-2.上場会社とは②~上場会社の情報開示~」
マネー編集部年収班
