個人投資家の間では、9月末を基準日とする株主優待や配当の権利確定に関心が集まっています。
3月決算企業の多くはちょうど中間期にあたり、この時期に配当や株主優待がもらえる銘柄が多いためです。
回転寿司チェーン「かっぱ寿司」を運営するカッパ・クリエイト<7421>もその一つで、9月30日を基準日とする株主優待の権利取得のタイミングが近づいています。
今回は、最新の決算から同社の稼ぎ頭となっている事業をひも解きながら、株主優待の内容を解説します。
1. 最新決算からひも解く企業の稼ぎ頭
カッパ・クリエイトが8月12日に発表した2027年3月期第1四半期(2026年4~6月期)決算では、売上高177億5,100万円(前年同期比2.4%減)、営業損失7億700万円(前年同期は3億2,200万円の営業利益)、四半期純損失7億6,500万円となり、赤字に転落しました。
セグメント別に見ると、同社の稼ぎ頭は売上高の8割強(81.9%)を占める回転寿司事業です。同事業の売上高は145億3,300万円(前年同期比2.0%減)とほぼ横ばいでしたが、セグメント損益は6億4,700万円の損失(前年同期は3億3,400万円の利益)に転落しました。
売上の大半を稼ぐ「稼ぎ頭」でありながら、この四半期は損益面で苦戦している点が特徴です。
もう一つの事業であるデリカ事業(総菜・弁当などの製造販売)も、売上高32億1,700万円(同4.2%減)・セグメント損失7,600万円(前年同期は2,800万円の損失)と赤字幅が拡大しており、両事業とも赤字という状況です。
同社は、原材料・エネルギー価格の高止まりや人手不足による人件費上昇、物価高による節約志向の高まりを背景として挙げています。
この苦戦は前期も同様でした。同社が5月8日に発表した前期(2026年3月期)の通期決算では、売上高731億9,300万円(前期比0.0%減)とほぼ横ばいだったものの、営業利益は5億3,200万円(同62.9%減)にとどまり、収益性の見通しを慎重に検討した結果、国内85店舗・海外2店舗・国内1工場の固定資産について7億1,500万円の減損損失を計上しました。
この結果、純損失3億9,400万円(前期は10億3,200万円の黒字)を計上し、無配に転落しています。この前期の段階でもすでに、回転寿司事業の営業利益は前期比約63%減の5億1,500万円まで落ち込んでおり、全社の営業利益減少の大部分を占めていました。
一方で、会社側が公表している2027年3月期通期の業績予想は、売上高798億4,000万円(前期比9.1%増)、営業利益13億6,600万円(同156.6%増)、経常利益13億8,700万円(同134.2%増)、純利益9億3,600万円(1株当たり予想利益18.99円)と、増収増益への転換を見込む内容です。
第1四半期の時点ではこの計画に対して大きく出遅れた形になっており、通期予想達成に向けては下期での挽回が必要な状況です。なお、配当については前期に続き2027年3月期も未定となっています。