日本のお金持ち、富裕層は何人いるのか

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富裕層というと、何か手が届かない人たちという印象です。自分の周りにはそんなにいないという感じがしますが、実際のところはどうでしょうか。今回はクレディスイス(Credit Suisse)の「Global Wealth Report 2017」を参考にしながら、日本の富裕層についてみていきたいと思います。

世界のお金持ちの規模を知る

「ネット・ワース(net worth)」というと聞きなれないかもしれませんが、資産から負債を差し引いたものを「ネット・ワース」と呼びます。ここでは「ネット・ワース」を「純資産」と呼ぶことにします。

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今回、クレディスイスはネット・ワースで米ドル10万ドルから100万ドル(約1100万円から1億1000万円)の純資産を持っている人数が3億9100万人、純資産が100万ドル以上の人数が3600万人という結果を発表しています。

この純資産で10万ドル以上を持つ人は、世界の大人に占める割合でいえば8.6%です。この水準は2000年の時には6.1%であったことを考えればその比率はその後20年近く経過していますが、拡大しているといえるでしょう。

なんだかんだいっても世界有数の金持ちのいる国・日本

日本経済は長らく続いたデフレにより、名目GDPをはじめとして「失われた20年」と言われることが多かったのは皆さんご記憶になることでしょう。とはいえ、お金持ちの人数は「日本は世界で第2位」というと皆さんはどうお感じでしょうか。

先ほど見た純資産が100万ドル以上の人は世界に3600万人いると触れましたが、日本は米国の1500万人に次ぐポジションです。同レポートでは269万人いるとされています。

中国などにはもっとお金持ちも多そうですが、今回の調査では195万人とされています。2017年の段階では日本の方が中国よりもまだ多いといえます。

まさかのお金持ちが減少している日本

とはいえ、同レポートで衝撃的であったのは、その日本のお金持ちの数が減少していたことです。2016年の調査では日本のお金持ちは300万人を超えていましたが、2017年には先に見たように269万人です。世界経済が成長を続ける中でお金持ちが減少する日本。

今回の調査ではUK(英国)も日本同様にお金持ちが減少していました。とはいえ、日本ほどの減少幅ではありません。もっとも、UKもEU離脱問題などは以前から金融機関を中心にその拠点をシフトする動きもありますが、関係はあるのでしょうか。

そして英国以上にお金持ちが減少した日本。今後はどのようなお金持ちの動きが起きるのでしょうか。目が離せません。

青山 諭志

参考記事

慶應義塾大学卒業後、国内大手及び外資系大手金融機関に合わせて10年以上勤務し、株式市場を中心にマーケット関連の仕事に従事。その後独立。金融機関では主にアナリストとして企業や産業調査活動に従事。調査内容としてはミクロ・セミマクロが主な分析対象だが、好きなのはマクロ分析。記事で取り扱うテーマはマーケット動向、企業分析といった株式市場関連の分析や貯蓄や投資といった個人の資産運用動向を取り扱う。最近は「富の分配」問題や「お金持ち」である富裕層研究にも時間を割いている。その他に興味のある分野はブロックチェーン技術とゲノム(ジーノム)。