貯蓄が100万円もない世代が全体の10%を占めるということが話題にのぼりますが、一方で高齢者(60歳以上)が多くの資産を抱えているという話もあります。具体的にどれくらいの貯蓄を保有しているのでしょうか。今回は総務省のデータをもとに見ていきましょう。
総務省の家計調査報告とは
2019年5月17日に総務省(統計局)が発表した「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2018年(平成30年)平均結果-(二人以上の世帯)」には、二人以上の世帯のうち世帯主が60歳以上の世帯(この世帯を高齢者世帯と総務省が定義)の貯蓄現在高の内容が示されています。
なお、ここでいう「貯蓄」の定義は、ゆうちょ銀行、郵便貯金・簡易生命保険管理機構(旧郵政公社)、銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金、生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式、債券、投資信託、金銭信託などの有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価、債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と、社内預金、勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計とされています。
いわゆる預貯金だけではないことに注意が必要で、表現としてはどちらかというと「金融資産」という方が近いかもしれません。加えて、同調査の貯蓄は世帯全体の貯蓄であり、また、個人営業世帯などの貯蓄には家計用のほか事業用も含めるとされています。したがって、個人事業主においてはそれに関係する資産も含まれるという点にも留意する必要があります。