貯蓄が100万円もない世代が全体の10%を占めるということが話題にのぼりますが、一方で高齢者(60歳以上)が多くの資産を抱えているという話もあります。具体的にどれくらいの貯蓄を保有しているのでしょうか。今回は総務省のデータをもとに見ていきましょう。
総務省の家計調査報告とは
2019年5月17日に総務省(統計局)が発表した「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2018年(平成30年)平均結果-(二人以上の世帯)」には、二人以上の世帯のうち世帯主が60歳以上の世帯(この世帯を高齢者世帯と総務省が定義)の貯蓄現在高の内容が示されています。
なお、ここでいう「貯蓄」の定義は、ゆうちょ銀行、郵便貯金・簡易生命保険管理機構(旧郵政公社)、銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金、生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式、債券、投資信託、金銭信託などの有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価、債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と、社内預金、勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計とされています。
いわゆる預貯金だけではないことに注意が必要で、表現としてはどちらかというと「金融資産」という方が近いかもしれません。加えて、同調査の貯蓄は世帯全体の貯蓄であり、また、個人営業世帯などの貯蓄には家計用のほか事業用も含めるとされています。したがって、個人事業主においてはそれに関係する資産も含まれるという点にも留意する必要があります。
高齢者世帯は現在貯蓄高2500万円以上が32%
前置きが長くなりましたが、同調査による高齢者世帯のデータを見ていくことにしましょう。
まず、高齢者世帯の貯蓄現在高の平均値は2284万円。「2000万円以上!」と驚く人もいるかもしれません。もっとも、貯蓄現在高の中央値は1515万円であり、平均値よりは低い水準です。この中央値というのは、データを小さい順(大きい順)から並べてちょうど真ん中にくる値のことです。一部の高額貯蓄世帯に平均値が引っ張られることもあり、総務省は中央値での開示もしています。
そして、貯蓄現在高2500万円以上が高齢者世帯の32%を占めています。平均値である2284万円を超える世帯数の比率も3割を超える水準にあることが分かります。
現在の貯蓄現在高が4000万円を超える世代は17%
2500万円の貯蓄と聞くだけでも、「すごく資産があるなぁ」と感じる人も多いでしょう。しかし、さらに驚くのが、高齢者世帯において貯蓄現在高が4000万円を超える世帯が約17%もあるということです。
ざっくりいってしまえば、高齢者世帯の5世帯に1世帯ちかくは4000万円以上の貯蓄があるということになります。若い世代からは”羨ましい限り”という声も聞こえてきそうです。
高齢者世帯の貯蓄格差も顕著な結果に
貯蓄現在高が4000万円以上の高齢者世帯が17%もある一方で、100万円未満の世帯が8%存在します。500万円未満で見ると23%になります。貯蓄現在高が4000万円を超える世帯と500万円に満たない世帯がそれぞれ約2割ずつということになり、貯蓄額の格差があることが見えてきます。
マネー編集部ウェルスマネジメント班