4. 【75歳以上の暮らし】約7割が通院、高齢者世帯の平均所得は336.1万円
後期高齢者医療を利用する75歳以上の方は、どのくらい通院し、どのような所得で暮らしているのでしょうか。厚生労働省「2025(令和7)年 国民生活基礎調査の概況」から確認します。
4.1 75歳以上の約7割が通院している
傷病で通院している人の割合(通院者率)は、人口千人あたり409.2でした。年齢が上がるにつれて高くなり、75歳以上では707.6と、約7割の方が通院している計算です。
2022年の調査と比べると、75歳以上の通院者率は729.2から707.6に下がっています。なお、通院者には入院している方は含まれません。
4.2 高齢者世帯の平均所得は336.1万円、41.3%は年金だけで暮らす
2024年の高齢者世帯の1世帯あたり平均所得金額は336.1万円でした。所得の種類別にみると、公的年金・恩給が61.3%、稼働所得が25.9%を占めます。
公的年金・恩給を受給している高齢者世帯のうち、所得に占める公的年金・恩給の割合が100%の世帯は41.3%です。年金を中心とした収入のなかから、後期高齢者医療の保険料や窓口負担を支払っている方が多いことがうかがえます。
5. 【後期高齢者医療】保険料の収納率は99.47%、滞納している被保険者は22万4507人
最後に、保険料の納付の状況を確認します。
5.1 収納率は99.47%、都道府県別で最も低いのは東京都
2024年度の後期高齢者医療の保険料収納率は、全国平均で99.47%でした。前年度から0.04ポイント下がっています。
都道府県別では、福井県の99.80%が最も高く、東京都の99.15%が最も低くなりました。
5.2 滞納している被保険者は全体の1.10%
2025年6月1日時点で、前年度の保険料に一部でも滞納がある被保険者は22万4507人で、被保険者全体の1.10%でした。人数は2022年の19万3595人から3年連続で増えています。
被保険者数は各年5月31日時点、滞納被保険者数は各年6月1日時点の数値です。
6. 【FPの視点】支え合いの仕組みを知って、自分の負担を確かめる
後期高齢者医療制度は、75歳以上の方の保険料だけでなく、公費や現役世代からの支援金によって支えられています。制度の仕組みを知っておくと、保険料や窓口負担の見直しの背景も理解しやすくなります。
6.1 保険料の納付が難しいときは早めに窓口へ
年金を中心に暮らしている方にとっては、保険料や医療費の負担が家計に与える影響も小さくありません。保険料の納付が難しいと感じたときは、滞納になる前に、お住まいの市区町村の後期高齢者医療の担当窓口に相談しましょう。
6.2 保険料の額は通知書で確認
保険料の額や軽減の有無は、広域連合や市区町村から届く通知で確認できます。2026・27年度の保険料については、関連記事で全国平均や都道府県別の金額を紹介しています。
7. まとめにかえて
2024年度の後期高齢者医療広域連合の単年度収入は18兆3498億円で、被保険者の保険料は1兆7394億円、収入全体の9.5%でした。最も大きいのは現役世代からの支援金にあたる後期高齢者交付金の7兆2246億円で、国庫支出金の5兆9267億円が続きます。
保険給付費は17兆9900億円、被保険者は2039万人で、75歳以上の方の約7割が通院しています。高齢者世帯の所得の6割は公的年金・恩給で、41.3%の世帯は年金だけで暮らしています。
後期高齢者医療制度は、世代を超えた支え合いで成り立っています。保険料や窓口負担などの扱いは制度の見直しや広域連合ごとの決定によって変わることがあるため、最新の内容は、お住まいの都道府県の後期高齢者医療広域連合や市区町村の窓口、厚生労働省の情報で確認してください。
参考資料
村岸 理美