4. 都道府県別のNISA口座数を見るときに気をつけたいこと
数字を読むときに、あらかじめ押さえておきたい前提が2つあります。
4.1 都道府県別の合計は全国の口座数と一致しない
47都道府県を合計した2819万3996口座は、全国の口座数として公表されている2820万6434口座と一致しません。差は1万2438口座です。
金融庁は、一部の金融機関で基準日時点の都道府県別の口座数を集計できなかったことなどが理由だと注記しています。順位や割合を見るぶんには差し支えありませんが、全国の数字と足し合わせて使うことはできません。
4.2 口座数の多さは開設率の高さを意味しない
都道府県別の口座数は、その地域に住む人の数に大きく左右されます。東京が417万6700口座で1位なのは、住んでいる人が多いことの反映です。
この調査では人口に対する開設率は公表されていないため、地域ごとの普及の度合いを比べるには別の統計と組み合わせる必要があります。年齢層の構成を割合で見た部分は、この影響を受けにくい読み方になります。
5. NISAのつみたて投資枠は年120万円、成長投資枠は年240万円
ここで、買付額の前提になっている枠の仕組みを確認しておきます。
5.1 年間の投資枠と生涯の限度額は別のもの
NISAには、つみたて投資枠と成長投資枠の2つがあります。年間で投資できる金額は、つみたて投資枠が120万円、成長投資枠が240万円で、合わせて360万円です。
これとは別に、生涯にわたって非課税で保有できる限度額が1800万円と決まっています。このうち成長投資枠で使えるのは1200万円までです。
NISAは運用で得た利益が非課税になる制度で、掛金を所得控除できる仕組みはありません。掛金が全額所得控除になるのはiDeCo(個人型確定拠出年金)で、NISAとは別の制度です。
6. NISAの積立投資で知っておきたい注意点
制度のメリットだけでなく、あらかじめ知っておきたい点もあります。
6.1 元本割れの可能性があり、損益通算や繰越控除はできない
NISAで買う投資信託や株式は値動きのある商品なので、購入時より値下がりして元本を割り込むことがあります。
さらに、NISA口座で出た損失は、特定口座や一般口座の利益と相殺する損益通算ができません。翌年以降に繰り越す繰越控除も使えない仕組みです。
6.2 売却して空いた非課税枠を使えるのは翌年以降
NISAで保有している商品を売ると、その商品を買ったときの金額分の非課税保有限度額が復活します。ただし、復活した枠を使えるのは売却した年の翌年以降です。
同じ年のうちに売って買い直すことはできないため、まとまった資金を動かす予定があるときは、年をまたぐ前提で考えておくことになります。
7. まとめにかえて
都道府県別のNISA口座数は、東京の417万6700が最多で、上位5都府県だけで全体の43.5%を占めていました。
年齢層の構成を割合で見ると、60歳代以上が奈良で41.1%、沖縄で22.5%でした。口座数の順位だけでは見えない違いがあらわれる部分です。
地域の数字は全体の傾向をつかむ材料として押さえておき、実際の積立額や商品は自分の家計と投資の期間に合わせて決めてみてはいかがでしょうか。
参考資料
安達 さやか
