2. 高齢者世帯の家計は、実際どれくらい「赤字」なのか

総務省の家計調査(2025年平均)では、65歳以上の無職世帯の家計収支が公表されています。ここから、年金だけで生活している高齢者世帯の実態が見えてきます。

2.1 夫婦のみの高齢者無職世帯は月4万2434円の赤字

65歳以上の夫婦のみの無職世帯では、可処分所得が月22万1544円であるのに対し、消費支出は月26万3979円でした。差し引き、月4万2434円の赤字という計算になります。

2.2 ひとり暮らしの高齢者無職世帯は月2万9980円の赤字

65歳以上のひとり暮らしの無職世帯でも、可処分所得が月11万8465円であるのに対し、消費支出は月14万8445円で、月2万9980円の赤字という結果でした。

いずれの世帯も、年金などの収入だけでは毎月の生活費をまかなえておらず、貯蓄の取り崩しなどで補っていると考えられます。

高齢者無職世帯の家計収支の表(2025年平均)2/3

高齢者無職世帯の家計収支の表(2025年平均)

LIMO編集部作成

3. 月5620円は、この「赤字」のどれくらいを埋める計算になるか

では、老齢年金生活者支援給付金の月5620円は、こうした赤字の中でどれくらいの位置づけになるのでしょうか。

3.1 単身世帯なら赤字の約19%、夫婦世帯なら約13%

単純に割合で見ると、夫婦のみの高齢者無職世帯では、月4万2434円の赤字のうち5620円は約13.2%にあたります。ひとり暮らしの高齢者無職世帯では、月2万9980円の赤字のうち5620円は約18.7%を占める計算です。世帯人数が少ない分、単身世帯の方が給付金の存在感はやや大きくなります。

3.2 食費や光熱費に置き換えるとどれくらいか

もう少し具体的にイメージするために、消費支出の内訳と比べてみます。ひとり暮らしの高齢者無職世帯の食料費は月4万2545円(1日あたり約1400円)で、5620円はおよそ4日分の食費に相当します。夫婦のみの世帯では食料費が月7万8964円(1日あたり約2600円)なので、5620円はおよそ2日分の食費という計算になります。

光熱・水道費で見ると、ひとり暮らし世帯では月1万5565円のうち5620円が占める割合は約36%、夫婦のみの世帯では月2万3540円のうち約24%にあたります。

月5620円が高齢者無職世帯の家計の赤字を何%埋める計算になるか3/3

月5620円が高齢者無職世帯の家計の赤字を何%埋める計算になるか

LIMO編集部作成

和田直子
ここで示した金額は、あくまで総務省の調査による平均値をもとにした試算です。

実際の家計は、住んでいる地域や持ち家か賃貸か、医療費の状況などによって大きく変わるため、「自分の場合はどうか」を知るには、ご自身の家計簿や通帳の記録を振り返ってみるのが一番確実です。

そのうえで、老齢年金生活者支援給付金のように受け取れるお金があるなら、請求はがきを提出して取りこぼさないようにしておきたいところです。

4. まとめ

老齢年金生活者支援給付金は、月5620円が年金とは別に上乗せされる制度です。

総務省の家計調査(2025年平均)によると、65歳以上の高齢者無職世帯の家計は、夫婦のみで月4万2434円、ひとり暮らしで月2万9980円の赤字という状況にあります。5620円は、この赤字の13~19%程度を占める計算になり、決して無視できる金額ではありません。

請求はがきが届いたら、金額の大きさだけでなく、自分の家計全体の中でどんな位置づけになるのかもあわせて意識しておきたいところです。

参考資料

和田 直子