4. 変動10年は基準金利の決定月も10月募集分から移る

利払日と償還期限が動くことは3タイプに共通しますが、変動10年にはもう一つ動くものがあります。

半年ごとに適用利率を見直すための、基準金利の決定月です。

4.1 9月募集分は3月と9月、10月募集分は4月と10月

財務省の発行条件によると、変動10年の第198回債(9月募集分)の基準金利の決定月は毎年3月および9月の年2回です。

第199回債(10月募集分)は毎年4月および10月の年2回になります。

変動10年の適用利率は「基準金利×0.66」という算式で決まるため、どの月の基準金利を使うかによって、その後の半年ごとの利率も変わっていきます。

4.2 固定5年と固定3年は算式が引き算になる

固定5年の利率は「基準金利マイナス0.05%」、固定3年は「基準金利マイナス0.03%」という算式です。

この2タイプの基準金利は、募集期間開始日の2営業日前において、市場実勢利回りを基に計算した期間5年または3年の固定利付国債の想定利回りとされています。

いずれのタイプも、金利の下限は年0.05%です。

5. 買う月を選ぶ前に確かめておきたい3つのこと

元銀行員として資産運用のご相談を受けてきた経験から、個人向け国債の募集月を選ぶときに見ていただきたい点を挙げます。

5.1 利子が入る月を、家計の支出が多い月と重ねるかどうか

個人向け国債の利子は年2回です。

9月募集分なら4月と10月、10月募集分なら5月と11月に入ります。

固定資産税や授業料の支払月に合わせたいという考え方もあれば、あえて支出の少ない月に置いておきたいという考え方もあります。

5.2 中途換金は発行後1年を過ぎてからになる

個人向け国債は、発行後1年経過すればいつでも国の買取による中途換金ができ、償還金額は額面金額100円につき100円で中途換金時も変わりません。

ただし中途換金時には、直前2回分の各利子(税引前)相当額に0.79685を掛けた額が差し引かれます。

発行後1年間は原則として中途換金ができませんが、災害救助法の適用対象となった大規模な自然災害により被害を受けた場合、または保有者本人が亡くなった場合には、この期間にかかわらず中途換金できる特例が設けられています。

5.3 10月7日の発表を待つかどうかを決めておく

9月募集分の申込期限は9月30日、10月募集分の利率発表は10月7日です。

つまり9月募集分の締切が先に来るため、発表を待つと9月募集分の利率では申し込めなくなります。

どちらを選ぶかは、いまの利率で確定させたいか、次の水準を見てから決めたいかという判断になります。

6. まとめにかえて

個人向け国債の10月募集分は、2026年10月8日から10月30日までの募集で、発行日は11月16日です。

表面利率は10月7日に発表される予定で、執筆時点では未発表でした。

9月募集分と比べると、利払日は4月・10月から5月・11月へ、償還期限も1か月後ろへ移ります。

利率だけでなく、利子が入る月と満期の月も一緒に確認しておくと、資金の使いみちと合わせやすくなります。

参考資料

和田 直子