3. 【額面と手取りの差】月5万円を10年受け取ると「生涯受取総額」いくらになる?

年金の話は月額で語られがちですが、実際には20年、30年と続く収入です。ここでは年金月額5万円の方が、65歳から75歳までの10年間受け取った場合を試算します。

3.1 月5万円を10年受け取った場合の総額

年金月5万円を10年受け取った場合の生涯受取総額4/4

年金月5万円を10年受け取った場合の生涯受取総額

出所:LIMO編集部作成

額面の総額は600万円です。5年長く生きるごとに300万円ずつ積み上がっていきます。長く生きるほど受け取る額が増えるため、年金は長寿への備えという性格を持っています。

※手取り換算は額面の87%とした概算で、本ケースでは600万円に対して522万円としました。天引き額は自治体や世帯の状況で変わります。毎年度の年金額改定は計算に含めていません。

押さえておきたいのが、額面と実際の振込額のひらきです。この10年間だけで78万円が保険料と税金として差し引かれる計算になります。月あたりでは小さく見える差も、20年30年で積み上がるとまとまった金額です。

3.2 受給期間が5年延びると総額は300万円増える

受給期間が5年延びれば、額面の総額は600万円から900万円へ、300万円増えます。手取り換算では261万円の増加です。逆に5年短ければ300万円少なくなります。

ただし年金は貯蓄と違い、早く亡くなったからといって元本が戻るものではありません。何歳まで受け取るかは事前に分かりませんから、損得よりも生活を支えるしくみとして捉えるほうが実態に合います。受給が続く限り総額が伸び続ける点は、期間の決まった商品にはない性質です。

月5万円という前提が変われば総額も変わります。ご自身の見込額は「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で確認できますので、まず月額を押さえてから年数を掛けてみてください。

4. まとめにかえて

今回は、2026年度の年金改定と年代別の平均受給額、そして生涯受取総額の試算を確認してきました。

年代別に見ると、厚生年金は60歳代後半で14万〜15万円台、70歳代でほぼ横ばい、80歳代で15万〜16万円台。国民年金は5万〜6万円台で推移します。年代による大きな違いはありません。

一方、厚生年金は男性16万9967円、女性11万1413円と約6万円の差があります。現役時代の給与水準と加入期間が反映されるためで、保険料が定額の国民年金では差が小さくなります。

月5万円を10年受け取った場合の総額は額面600万円、手取り換算で約522万円。この10年間だけで78万円が保険料と税金として差し引かれる計算です。受給期間が5年延びれば、額面で300万円増えます。

徳田 椋
まずはご自身の「ねんきん定期便」を確認して、将来受け取れる年金額を確認しておきましょう。そこから13%ほどを引けば、手取りの目安になります。1カ月当たりの手取り金額と支出を比較することで、将来どのくらい不足するのかが分かります。老後のお金に不安を感じた方は今から出来る準備を少しずつでも始めていきましょう。

不足を埋める手段としては、NISAやiDeCoといった税制優遇制度の活用、家計の見直し、就労期間を延ばして厚生年金の加入期間を伸ばすことなどが挙げられます。

まずはご自身の見込額を確かめ、総額に直してみるところから始めてみてはいかがでしょうか。

参考資料

徳田 椋