2. 令和3年度から7年度までの給付金を並べてみる
過去の給付金の変遷は、LIMOの記事「住民税非課税世帯はなぜ給付金の対象になりやすい?過去の実施例と対象範囲の設計を整理」から要点を借りて確認します。
住民税非課税世帯向けの給付金は、令和3年度から複数回実施されています。
最初にこの枠組みで実施されたのが、令和3年度と令和4年度の住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金です。対象は、世帯全員の令和3年度分または令和4年度分の住民税均等割が非課税である世帯で、1世帯あたり10万円が支給されました。この給付金は1世帯につき1回のみで、令和3年度分を受け取った世帯は、令和4年度分を重複して受け取ることはできない仕組みでした。
令和5年度は、既存の住民税非課税世帯に対し、まず1世帯3万円が支給され、その後追加で7万円が支給されました。合計すると1世帯あたり10万円です。均等割のみ課税されている世帯(所得割は非課税の世帯)には、別枠で1世帯10万円が支給されました。いずれも18歳以下の子どもがいる世帯には、子ども加算として1人あたり5万円が加算されています。
令和6年度は仕組みが変わります。すでに非課税だった世帯への追加給付ではなく、「新たに非課税になった世帯」または「新たに均等割のみ課税になった世帯」を対象に、1世帯10万円が支給されました。子ども加算は1人あたり5万円でした。
令和7年度は、令和6年度に住民税非課税または均等割のみ課税だった世帯を対象に、1世帯3万円が支給されました。令和5年度のような「3万円と7万円の2段階」ではなく、一律の金額で設計されている点が異なります。
出所:LIMO「住民税非課税世帯はなぜ給付金の対象になりやすい?過去の実施例と対象範囲の設計を整理」
年度別に見る、住民税非課税世帯向け給付金の変遷2/2
出所:LIMO編集部作成
2.1 継続して非課税の世帯と、新たに非課税になった世帯
年度によって対象の考え方が変わっています。
令和6年度の給付金が「新たに非課税になった世帯」に絞られた背景には、給付の重複を避けるという考え方があります。令和5年度にすでに10万円を受け取った世帯が、令和6年度も同じ枠で再び支給を受けると、既存の非課税世帯だけが繰り返し支援を受ける形になりかねません。
令和6年度の枠組みは、前年度まで課税されていたが新たに非課税・均等割のみ課税になった世帯に対象を絞り、「まだ支援を受けていない世帯」に給付を届ける設計です。所得の境界線に近い世帯の扱いは、この基準の給付金に共通する論点です。
「継続して非課税の世帯」と「新たに非課税になった世帯」は別枠で設計され、経済対策の決定から実際の給付開始までには数か月から半年以上のタイムラグが生じることがあります。
出所:LIMO「住民税非課税世帯はなぜ給付金の対象になりやすい?過去の実施例と対象範囲の設計を整理」
2.2 紹介した給付金はすべて受付を終えている
ひとつ注意しておきたいことがあります。
令和3年度以降、住民税非課税世帯向けの給付金は複数回実施されましたが、いずれも受付を終えた過去の制度で、年度によって対象条件と金額が異なります。
住民税非課税世帯向けの給付金は、一見同じ制度が繰り返されているように見えても、実際には年度ごとに対象条件・金額・根拠となる経済対策が作り直されています。過去の経験をそのまま当てはめると、判断を誤りやすい仕組みです。
出所:LIMO「住民税非課税世帯はなぜ給付金の対象になりやすい?過去の実施例と対象範囲の設計を整理」
3. 自分の自治体の税率と使い道を見てみる
ここまで、住民税の税率の決まり方と、過去の給付金の年度ごとの変遷を見てきました。
所得割10%と均等割4000円は標準税率で、都道府県や市町村は自らの判断で税率を定められます。均等割と併せて徴収される森林環境税は、全額が森林環境譲与税として自治体へ譲与されます。
給付金のほうは、令和3年度から7年度まで年度ごとに対象条件と金額が作り直されてきました。
継続して非課税の世帯と新たに非課税になった世帯で枠が分かれた年度もあり、過去の経験をそのまま当てはめると判断を誤りやすい仕組みです。
記事で紹介した給付金はいずれも受付を終えています。新しい給付金が実施される場合は、どの年度の住民税で判定されるのかを市区町村の窓口で確認することから始めてください。
参考資料
- 総務省「森林環境税及び森林環境譲与税」
- 総務省「個人住民税」
- 内閣府「住民税非課税世帯等に対する臨時特別給付金について」
- LIMO「住民税非課税世帯になると受けられる優遇措置一覧。医療・介護・教育・保険料、自動適用と要申請の違いを整理 高額療養費・修学支援新制度・介護保険の負担軽減など、分野ごとに確認」
- LIMO「住民税非課税世帯はなぜ給付金の対象になりやすい?過去の実施例と対象範囲の設計を整理 給付金の変遷と、新規世帯・継続世帯の違いを資料で確認」
LIMO編集部年金解説班