4. 生活保護の扶助は8種類あり、現金給付と現物給付に分かれる

内訳に出てくる扶助の種類を、あらためて並べておきましょう。

4.1 生活・住宅・教育・医療・介護・出産・生業・葬祭の8種類

厚生労働省の資料では、最低生活費を計算する保護基準を、厚生労働大臣が扶助別に8種類定めるとしています。

生活扶助は食費や被服費、光熱水費にあたる費用で、基準額が定められています。住宅扶助や出産扶助、葬祭扶助は、定められた範囲内で実費が支給される形です。

生業扶助には、就労に必要な技能の修得にかかる費用のほか、高等学校等に就学するための費用が含まれます。

生活保護の8種類の扶助と支給の内容2/2

生活保護の8種類の扶助と支給の内容

出所:厚生労働省「生活保護制度の概要等について(第52回社会保障審議会生活保護基準部会 参考資料)」を参考にLIMO編集部作成

5. 保護費は国が4分の3、地方自治体が4分の1を負担する

約3.7兆円という額は、だれが負担しているのでしょうか。

5.1 負担割合は国4分の3と地方4分の1で決まっている

厚生労働省の資料には「保護費については、国が3/4、地方自治体が1/4を負担する」と書かれています。

令和5年度の実績額3兆6007億円に当てはめると、国の負担は2兆7000億円台、地方自治体の負担は9000億円台という規模になります。

5.2 実施するのは都道府県・市・福祉事務所を設置する町村

保護を実施するのは、都道府県、市、福祉事務所を設置する町村です。福祉事務所を設置し、被保護世帯に担当のケースワーカーを置くしくみになっています。

相談や申請の窓口も、この福祉事務所の生活保護担当です。

6. 扶助別の額を読むときは年度の性格をそろえる

扶助別の内訳は、年度によって数字の性格が変わります。ここを混ぜると、増減の見方を誤ります。

6.1 令和5年度までは実績額、令和6年度は補正後予算、令和7年度は当初予算

厚生労働省の資料の注記には「令和5年度までは実績額(5年度は暫定値)、令和6年度は補正後予算、令和7年度は当初予算」とあります。

つまり、令和7年度の約3.7兆円は予算額で、実績額と直接比べる数字ではありません。扶助別の構成割合を見るときは、実績額が確定している年度で比べるのが読み方としては自然です。

6.2 出所は「生活保護費負担金事業実績報告」

この推移のもとになっているのは、厚生労働省の生活保護費負担金事業実績報告です。施設事務費を除いた事業費ベースの額が並んでいます。

扶助別の内訳が載っているのは基準部会の参考資料なので、数字を確かめたいときはそちらを開くと早いです。

7. まとめ

生活保護費負担金(事業費ベース)は令和7年度当初予算で3兆7077億円、令和5年度の実績額は3兆6007億円(暫定値)です。

扶助別では医療扶助が1兆8341億円で50.9%を占め、生活扶助の1兆334億円(28.7%)を上回っています。医療扶助と介護扶助は原則現物給付のため、かかった費用がそのまま実績額に積み上がる形です。

この保護費は国が4分の3、地方自治体が4分の1を負担しています。制度の内容や自分の世帯の扱いについては、福祉事務所の生活保護担当に相談できます。

参考資料