4. 後期高齢者医療の保険料率は広域連合ごとに違う

ここまで挙げた後期高齢者医療の数値は全国平均です。実際に適用される料率は、住んでいる都道府県によって変わります。

4.1 三重県は所得割率9.53%で全国平均より低い

三重県後期高齢者医療広域連合の令和8・9年度の料率は、医療分の所得割率が9.53%、均等割額が5万4843円です。子ども分は所得割率0.25%、均等割額1370円となっています。

全国平均の所得割率10.17%、均等割額5万6083円と比べると、どちらも低い水準です。同じ制度でも、住んでいる地域で金額が変わることになります。

4.2 料率は2年ごとに見直される

後期高齢者医療の保険料率は2年分をまとめて決める仕組みです。今回公表されたのが令和8・9年度分で、その前は令和6・7年度分でした。

賦課限度額も引き上げられています。三重県の資料では医療分が85万円、子ども分が2万1000円で、合わせて87万1000円です。

5. 国民健康保険料と後期高齢者医療の保険料は決まり方が違う

2つの制度は、どこで金額が決まるのかという点でも違いがあります。

5.1 国保の賦課限度額は政令で全国一律に決まる

国民健康保険料の賦課限度額は、国民健康保険法施行令で全国一律に定められています。令和8年度の額は令和8年1月15日公布の政令で改正されました。

一方で料率そのものは市区町村が決めるため、同じ所得でも住んでいる市区町村によって金額は変わります。

5.2 後期高齢者医療の料率は広域連合の議会で決まる

後期高齢者医療制度は、都道府県ごとの広域連合が運営しています。三重県の場合は令和8年2月9日の広域連合議会で令和8・9年度の料率が決まりました。

そのため後期高齢者医療の保険料は、市区町村単位ではなく都道府県単位でそろっています。国民健康保険から後期高齢者医療に移ると、金額の決まり方そのものが変わることになります。

6. 医療保険の通知書で確認しておきたいこと

最後に、届いた通知書で見ておきたい点を挙げます。

6.1 区分ごとの内訳を見る

国民健康保険料は令和8年度から4区分になったので、通知書の内訳も区分が増えている場合があります。前年と比べて金額が上がっていたときは、どの区分で増えたのかを確かめると原因がつかめます。

6.2 自分にかかる区分を確かめる

介護納付金分は対象になる年齢が限られています。上限の113万円という数字は、4区分すべてがかかる場合の合計です。

自分にどの区分がかかっているか、軽減が適用されているかは通知書の内訳で確認できます。判断に迷う場合は、国民健康保険や後期高齢者医療を担当する市区町村の窓口に確認してください。

和田 直子

令和8年度からの制度改定は、子ども・子育て支援金の導入に伴う負担増や上限額の引き上げなど、多くの世帯にとって実質的な固定費増加につながる重要な変更です。特に高所得世帯だけでなく、所得変動によって限度額付近に達する中間所得層にとっても影響は無視できません。

保険料は住んでいる自治体(市区町村や広域連合)によって大きく異なるため、平均値だけで判断せず、6月前後に届く「決定通知書」の区分内訳を必ず確認しましょう。所得控除の適用漏れがないかチェックするなど、事前の家計見直しに役立てることが大切です。

7. まとめにかえて

国民健康保険料は令和8年4月から4区分になり、賦課限度額は医療分67万円と後期高齢者支援金分26万円、介護納付金分17万円の合計110万円に、子ども・子育て支援納付金分3万円を加えた最大113万円になりました。令和7年度の109万円から4万円の引き上げです。

後期高齢者医療については、令和8・9年度の保険料率が令和8年4月10日に公表されました。医療分の平均保険料額は全国平均で月額7989円で、令和6・7年度の7411円から578円上がります。

いずれも料率は地域によって違います。自分の金額は通知書の内訳で確認し、分からない点は市区町村の窓口に聞いてみてください。

参考資料

LIMO編集部社会保障解説班