4. 期限が過ぎてしまった場合の「2つの救済措置」

もし、すでに時効の期間を過ぎてしまっている場合でも、状況によっては過去の分を受け取れる救済措置があります。

4.1 やむを得ない事情がある場合の申し立て

病気や長期の入院など、やむを得ない事情で期限内に請求できなかった場合は、その理由を書面で申し立てることによって、時効による消滅を避けられる場合があります。5年を過ぎているからと最初から諦めるのではなく、まずは年金事務所に事情を伝えてご相談されることをおすすめします。

4.2 年金記録の訂正があった場合の時効特例

平成19年7月7日以降に年金を受け取る権利が発生した場合の特別な取り扱いがあります。国側の記録管理において訂正が生じ、新たに年金が決定されたケースにおいては、国が時効を適用しない仕組みになっています。

これにより、5年を超える過去の分についても支払われます。ただし、これはあくまで記録の訂正等の事情があった場合の特例措置であり、ご自身の都合でお手続きが遅れた場合は原則通り5年で時効となる点にご留意ください。

5. 請求が遅れそうなときにできること

気持ちの整理がつかない時期に書類を揃えるのは大変です。それでも早めに動いておくと選択肢が残ります。

5.1 まず年金事務所に連絡だけしておく

書類が全部そろっていなくても、年金事務所や街角の年金相談センターに相談することはできます。

自分が対象になるのか、どの給付を請求するのかを先に整理しておけば、あとの手続きが早く進みます。

5.2 遺族基礎年金だけなら市区町村の窓口でも受け付けている

遺族基礎年金だけを請求する場合は、住んでいる市区町村の窓口でも手続きできます。

年金事務所が遠い方は、まず市区町村に相談してみるのも一つの方法です。

5.3 死亡一時金は2年しかないので先に確かめる

国民年金の第1号被保険者だった方が亡くなったときは、死亡一時金の対象になることがあります。

こちらは時効が2年と短いので、遺族年金の手続きと並行して早めに確認しておきましょう。請求先は市区町村の窓口です。

6. まとめ

年金を受ける権利は、権利が発生してから5年を経過すると時効によって消滅します。遺族年金の起算日は亡くなった日の翌日です。

5年以内に請求すればさかのぼって受け取れるので、数か月の遅れで慌てる必要はありません。一方、5年を超えた分は失われます。

死亡一時金だけは時効が2年と短く、起算日も死亡日の翌日です。給付ごとに期間も起算日も違う点に注意してください。

やむを得ない事情があった場合は書面で申し立てられます。5年を過ぎていても、まず年金事務所に事情を伝えるところから始めてみてください。

参考資料

村岸 理美