1. 働くママのリアルな転職状況:「高時給」より「通いやすさ・安心」へ

人事や採用の現場で長年、正社員やパートの採用を担当してきた筆者ですが、30代・40代の子育て中のママとお話しする中で、求職者の価値観が明確に変化していると感じます。

ひと昔前は「少しでも時給や基本給が高いところ」を優先する方が目立ちました。しかし現在、仕事と子育ての両立という現実に直面する多くのママたちが求めているのは、一時的な高収入よりも「日常生活の回しやすさ」と「精神的な安心感」です。

この実感は最新のデータにも強く裏付けられています。

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出典:「主婦・ママの仕事選びに関する調査」くふう生活者総合研究所(株式会社くふうカンパニー)

出典:「主婦・ママの仕事選びに関する調査」くふう生活者総合研究所(株式会社くふうカンパニー

くふう生活者総合研究所(株式会社くふうカンパニー)が発表した「主婦・ママの仕事選びに関する調査」(女性かつ子どもと同居する回答者 n=1,531)によると、主婦・ママ層が仕事選びで重視する条件の第1位は「家からの近さ・通いやすさ」(83.7%)でした。「給与の高さ」(4位)を大幅に上回る結果となっています。

また同調査では、子どもの発熱といった「急な休みに理解がある職場」であれば、36.8〜43.0%のママが「時給が100円以上低くてもよい」と回答。さらに「時給が150円低くても社割・まかないがある求人(53.1%)」が「時給が150円高い求人(26.1%)」の約2倍選ばれるなど、目先の時給よりも「実質的な手取り増加(生活費削減)」や「心理的安全性」を重視する傾向が顕著です。

子どもの呼び出しにすぐ駆けつけられる距離感や、突発的なお休みでも肩身の狭い思いをしなくて済む環境は、働くママにとって何よりの優先事項となっているのです。

2. 後悔しない!働くママが企業を選ぶ際の「3つの視点」

では、実際に転職活動を進める際、どのような視点で企業や職場を選べばよいのでしょうか。求人票の表面的な数値だけに惑わされないためのポイントを3点にまとめました。

2.1 1. 「生活動線」に馴染む立地かどうか

調査でも8割以上が重視していた「家からの近さ」ですが、単に自宅からの直線距離だけでなく「毎日の生活動線」に入っているかが重要です。「保育園・学校への送り迎えルート上にあるか」「退勤後に普段使うスーパーへ立ち寄りやすいか」など、日々の行動パターンと一体化できる職場を選ぶことで、移動のタイムロスと疲れを最小限に抑えられます。

2.2 2. 「急な休み」をカバーする体制や風土があるか

「子育て理解あり」と求人票に書いてあっても、実際の現場の状況は様々です。同じ部署や店舗に「子育て中のスタッフが複数在籍しているか」「業務がマニュアル化され、誰かが休んでもフォローし合える仕組みがあるか」を確認しましょう。子育て経験者が多い職場ほど、お互い様の精神が根付いており、長く働きやすい傾向にあります。

2.3 3. 社割・食事補助など「実質的な還元」があるか

今回の調査データにもあったように、社割や食事補助(まかない)などの制度は、毎月の家計を直接助けてくれる大きなメリットです。時給が50円〜100円高くても税金や社会保険料で相殺される場合がありますが、社割等による出費の抑制は手元に残るお金に直結します。福利厚生の充実度を総合的な「実質賃金」として比較してみるのがおすすめです。

柳 奈央子
仕事探しで大切なのは、『条件が良いか』ではなく『今の自分の暮らしにフィットするか』です。生活動線や職場のフォロー体制に目を向けることで、入社後のギャップをなくせます!

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Jack_the_sparow/shutterstock.com

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