3. 40〜50代のうちに考えておきたい「雇われる力」の育み方

2ページ目では、40〜50代の現役世代が今から準備しておくべき「60歳以降も困らない働き方の選択」について深掘りします。

前述のリスクモンスターの調査では、年収によっても就労意欲の期間に違いが見られました。年収600万円以上の層では「61〜65歳まで」という回答が最多だったのに対し、年収500万円未満の層では「働ける限り働きたい」という回答が最多を占めています。

この結果は、蓄えの有無だけでなく、「自分の意思で働き方を選べるかどうか」という余裕の違いを表しているとも言えます。

では、40〜50代のうちにどのような意識を持って行動すればよいのでしょうか。人事の現場目線から3つのステップを提案します。

 

3.1 自分の「ポータブルスキル」を整理する

自社でしか通じない社内ローカルな知識や職位ではなく、他社や別の業界でも通用する「汎用的なスキル(ポータブルスキル)」が自分にあるか見つめ直しましょう。コミュニケーション能力、業務改善の提案力、PCの基本操作能力などは、パートや嘱託採用の場でも強力な武器になります。

3.2 「正社員」という雇用形態への固執を緩める

60歳以降は、正社員にこだわらない方が選択肢が一気に広がります。「フルタイムでがっつり稼ぐ」以外の選択肢として、パートタイムで週数日働き、公的年金と組み合わせながら無理なく収入を得るというライフスタイルも十分に現実的です。パート採用の現場では、確実に出勤して丁寧な仕事をしてくれるベテラン世代は非常に重宝されます。

3.3 健康維持と柔軟な人間関係を心がける

採用面接で人事がシニア層を見る際、最も重視するポイントの一つが「健康状態」と「お互い気持ちよく働ける柔軟性」です。どれほど素晴らしい実績があっても、過去の成功体験に固執して周囲のアドバイスを聞けない方は敬遠されてしまいます。

60歳以降も社会とつながり、安定した収入を得続けるためには、「これまでの実績」よりも「これからの柔軟性」が問われます。40代・50代の今だからこそ、自分のキャリアと向き合い、定年後のイメージを具体化してみてはいかがでしょうか。

 

参考資料

リスクモンスター株式会社「何歳まで働くと思う?現役世代の老後就労予測」調査
・厚生労働省「高年齢者雇用安定法の改正の概要」

 

柳 奈央子