1. 8割が「60歳以降も働く」背景にあるリアルな資金不安

人生100年時代といわれるなか、「自分は何歳まで働くのだろうか」と考えたことはありませんか。

法人向け与信管理サービスを提供するリスクモンスター株式会社が2026年9月に発表した「何歳まで働くと思う?現役世代の老後就労予測」調査(調査対象:40歳〜59歳の有職者男女800名)によると、実に79.4%の現役世代が「60歳以降も働くと思う」と回答しています。

さらに、60歳以降も働く理由として最も多かったのが「生活費・老後資金の確保」(46.9%)でした。「生きがい」や「社会とのつながり」といった理由を大きく上回り、約半数の人が「経済的な事情」を第一の理由に挙げているのが現実です。

何歳まで働くかという問いに対しては、「61〜65歳」(32.0%)と「66〜70歳」(31.0%)が拮抗しており、合わせて約3人に2人が70歳までの就労を視野に入れています。

現在40〜50代で働くみなさんにとっても、60歳以降の就労は「特別なこと」ではなく「誰もが通る当たり前の選択」になりつつあることがうかがえます。

2. 元人事が見た「60歳以降の働き口」3つのパターン

私はこれまで長年、企業の人事・採用担当として、正社員の中途採用だけでなくパート・アルバイトの採用にも携わってきました。

その現場で数多くのシニア求職者とお会いして感じたのは、「60歳を境に、求人の種類と提示される条件がガラリと変わる」という厳しい現実です。

高年齢者雇用安定法により、企業には65歳までの雇用確保措置が義務付けられており、70歳までの就労機会確保も努力義務とされています。しかし、実際に用意されている働き口には、大きく分けて以下の3つのパターンが存在します。

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polkadot_photo/shutterstock.com

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2.1 1. 自社での定年再雇用(嘱託社員など)

最も多く選ばれているのが、定年を迎えた自社でそのまま再雇用契約を結ぶ方法です。業務内容や人間関係に慣れている安心感がありますが、一方で「給与が定年前の50〜70%程度に下がる」「元部下が上司になり人間関係に気を遣う」といった悩みを抱える方も少なくありません。

2.2 2. 他社への転職(正社員・契約社員)

長年培った専門スキルや管理職経験を活かして他社へ移る選択肢です。しかし採用側の立場から言えば、60歳以上の正社員採用は「即戦力として現場を動かせる専門性」や「若手と円滑に働ける柔軟性」が厳しく見られます。求人数自体も現役世代に比べると狭き門になります。

2.3 3. パート・アルバイト・派遣など多様な働き方

「週3日だけ働きたい」「自分のペースを守りたい」というニーズに合致するのがパート・アルバイト採用です。近年では人手不足の影響もあり、清掃・警備・物流だけでなく、オフィスワークや接客業でもシニア層のパート採用を積極的に行う企業が増えています。

柳 奈央子
人事担当として多くのシニア採用を見てきましたが、前職の肩書やプライドを一度リセットし、新しい職場環境や年下の管理職にも素直に合わせられる方ほど、60歳以降も歓迎され、長く活躍されています。